鳥の寿命12月〜2月(連作2つ+詩1篇)

昨年12月より友人の0220と、鳥の寿命というユニットをはじめました。作品の発表はネットプリントもしくはTwitter上で、詩と短歌を交互にローテーションしています。デザインにも力を入れていて楽しいのでよかったらチェックしてみてください🌾

先述の通りネットプリントで公開することもあり、そちらは期限後に読めなくなるため、これから3ヶ月刻みでテキストのみnoteに載せようと思っています。(しれっと改作するかもしれませんが) こちらもよろしくお願いします。また、鳥の寿命のほかにも、キモ定や定期的に開いている歌会など、今年はいろいろなところで精力的に活動していきたいと思っているので応援していただけると嬉しいです🎑



⛄️❄️🎂

無題


映画を見る上で必要のない気温の話ができるなんて夢のよう

伸びた爪にある程度の親しみをもて、反射するいかなる私にも

部屋の中であなただけを光らせている凍らせた隠喩はやや淫ら

瞼が しずかに積雪するように後悔はどうして眠れない

歩行する*名前の知らない木ばかりでありがたい*あなたは誰に似た?


🎍🍊⛩️

無題


磨りガラスの向こうに夜が架かるとき
火はどこから炎と言えるのだろう
雑に吐息を薫せて
/逡巡するのなら/
それは冬の季語でもあるようだが
わたしにとってはどちらでも構わない
舌で触れれば
/触れてもよいのだろうか/
気づいてしまうだろう
そのときをわたしのために恐れていてほしい


🌲🦠🤧

reserve


不能犯の手口をあえて模倣してみだりに花言葉のreserve

見方によっては星であってもいいと思う、アイシャドウを感情がはしって

複雑な図形も単純な要素の集まりで春にはその記憶

が、しかし口紅くらいわたしも使う 鏡から鏡までの道筋

青い煙を燻らせてそれはとても裏切りを予感させたとしても

逆手に刃物を持つのであれば殺すとき 解説のそういう息遣い

夜の瓦解は当然起きる 玄関までの正確な距離を覚える必要はない

水たまりのそばを歩いてあと何度この嘘でわたしは傷つける?

言霊はたしかにあるよ 懐かしさを想うときの季節はいつも夏

月が紫で雲間が紫で悲しんだ理由はなくても、ね

残酷な匂いって精悍なことだ 精悍な匂いってなんだろう

夜風にいっそう惨めに澄んでいくひかりの単位は言い換えてもすべて距離


🦜🦆🕊️🪿🐦‍⬛🐓🦃🦤🦩🦅

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