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髙島屋

一回生の夏休みに入る前こんな私の大学でコンペが開催された。

それは、京都髙島屋がリニューアルするにあたって新しくビニールバッグを作るとのことでそのデザインを募集するとのことだ。

最優秀賞をとった人には15万がもらえるとのことだった。

私は賞金に目がくらみ応募することにした。

課されたテーマが「変わらないのに、新しい。」とのことだったのでそれに沿ってデザインを考えることにした。

テーマをもとに作品を作るというのは受験生の時にいやほどやってたことだった。受験生が終わってまだ数ヶ月の私にはその感覚が残ってた。

受験の時と同じように「変わらないのに、新しい。」とはどういうことなのか髙島屋のホームページを参考にしながら、自分なりの解釈を紙につらつらと書き出していった。

そうしてつらつら書き出していって、このような結論に至った。

「『変わらないのに、新しい。』というのは、髙島屋が昔から大切にしている理念やお客様に対する思いは変わらないけど、髙島屋の外観やサービスの形は時代とともに変わっていく」

この自分なりの解釈をもとにデザインを考えた。

そのデザインというものがこれである。

原画、アクリル絵の具で描きました


今と昔の髙島屋とそれらを繋ぐように髙島屋の精神を表しているバラを入れることで私が思う「変わらないのに、新しい。」を表現した。


数ヶ月後髙島屋から私の作品が最優秀賞に選ばれたと連絡がきた。

嬉しすぎるあまりすぐに母に電話した。

母も自分のことのように喜んでくれた。

選ばれた後に表彰式があった。表彰式と言っても大それたものではなくて、小さな部屋でこじんまりと行われた。

賞状と賞金を貰って京都新聞からインタビューを受けて記念撮影をした。

後日新聞に載った自分の姿を見た。

赤髪ってのと眉毛が濃いのと顔濃いせいなのか自分がすごくいかつく感じた。

「怖そうな人、、。」

それから数ヶ月経って髙島屋から販売の連絡がきた。

どうやら、店頭だけでなくオンラインでも販売されるらしい。

オンラインで発売されるのは想定外だったので驚いた。

販売の連絡と同時に

「店頭に立ってビニールバッグを紹介しませんか?」

との連絡もきた。

NOという理由がなかったのでいくことにした。

今思えばこの選択は正しかったと思う。

自分がデザインしたバッグを知らない誰かさんに買ってもらえるというのは自分が認められた感じがして心地いい。

その瞬間をまじかにするというのはさらに心地いい。

心地よい気分になった一方で心地が悪くなっった出来事もある。

それは自身の接客経験の少なさから作品説明が上手くできない自分への情けなさである。

コミュ障なおさなきゃね、、、。


人生で初めて自分の作品が市場に出回ったってことでその時感じたことを忘れないように記しておくことにした。

就活のとき役に立つかもしれないし、、、。

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