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台風の日に/八月の御所グラウンド


今日は、台風。
わたしの住んでいる地域はこれからまだ雨も風も強まる予報。



停電に備えて、朝からお風呂に水をたっぷり溜めた。
熱中症にならないように、水風呂につかる作戦だ。(停電になったらね)



昨日のうちに今日の電車の運休が発表されたり、県の図書館の休館が決まったりして驚いた。



お盆で人の移動がいつもより多いから、混乱を防ぐためかな、とも思うけれど。(しかし、わたしの勤め先の図書館は、雪でも台風でも大雨でも、休みにはならない。
避難場所的な役割もあるそうだ。自家発電があるから、停電になっても大丈夫。
図書館で暑さを凌いだり、本を読みながら、台風をやり過ごすのもありかもしれない。)



さて、最近読んだ万城目学さんの新刊「八月の御所グラウンド」がとてもよかった。




8月5日に発売されたのは、八月の「8」と、御所の「5」にかけてかな?なんて読む前にはちょっと思ってしまったのだけれど(笑)、そんなわけはない。
この時期にぴったりの作品。



八月の京都は暑い。


物語の冒頭は、「俺」が彼女にも振られ、夏の京都の暑さに倦んでいる様子から始まる。
暑さの描写、すごいな…

8月を迎え、京都盆地は丸ごと地獄の釜となって、大地を茹で上がらせていた。

「八月の御所グラウンド」より



わたしの住む地域も、暑さなら京都にも負けない自信があるけれど、
夏休みに京都へ遊びに行こうとおもいきれないところに、暑いからというのが確かにある。
(少しでも涼しい場所に行きたい。)


物語のキーワードは、
8月の京都、大学生、野球、戦争、お盆、友情。



始まりの「どんより」とは裏腹に、
読んだ後にはさわやかな風が吹き抜けていった後みたいな気持ちになった。
途中で、温かいものが胸の奥から迫り上がってくる箇所もある。切なくて、温かい。


読むとまた、「万城目ワールド」に入り込んでしまう。それが心地よい。




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