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新コンプレックス Vol.3

ある時に、副支配人のK氏が
「実はこの先2日間、オーバーブッキングしている日があります!」
と私に告げた。

彼、ごく普通の顔で告げているのであるが、内容は天地がひっくり返るような話である。
それも1日では無く、週をまたいで2日間あって、どちらも大幅にオーバーしていた。
たしかどちらも、5Rくらいだったと思う。

これは、ある団体を受けた人がその処理をきちんとしなかった為に、起こった事故であった。

それからは毎日この問題の処理に取り組んだが、どこのエージェントも、簡単に応じてくれるわけも無く
「何やってんですか?うちは他館にはぜったい振らないでくださいよ!」
と厳しく叱責されるのであった。
まあ、当たり前の話であり、悪いのは全てこっちなのである。

この問題を処理するのに消耗した体力、精神的なダメージは計り知れない。
これは気を引き締めていかないと、今後も何があるか分からないし、
誰も信用することは出来ない!

と、心底思った。

だいたい、この団体の予約というのがくせもので、10R押さえてくれとか色々言ってくるが実際に催行される可能性は低く、手仕舞いは2週間前くらいなのでこちらに部屋が戻ってから
再販しても、もう殆どが売れないのである!

私は、この団体予約という確実性の無いものは今後一切受けるな!と宣言した!
そして、代わりにインバウンドに特化して攻めるんだ!
と方針を決めたのである!

先ず、Booking.comの担当者に
「ねえ、何でもやるから秘密の引き出し開けてよ!」
とお願いしてみた!
当時(2015年くらい)、まだインバウンドはようやく話題になり始めであり
Booking.com   AGODA   Expedia  の3社も福岡にオフィスを構えてから時間が経っていない頃の話である。

Booking.comの担当者の女性は、取り合えずこれとこれやってみますか?と提案してきたのである!
「うん、分かった!それやる!それもやる!」と即答するので
「えっ!?会社の決裁とかいいんですか?」
「そんなの関係無いよ!私がOKならばOKさ!」
ということで、まだどこも実施したことの無い色んなプログラムを仕掛けたわけである。

結果はすぐに表れた!なんせ国内マーケットを相手にしているのでは無くて、相手は全世界である。今まで月間売上せいぜい数十万だったBooking.comの売上が、数百万になり、もの凄いことになったのである。

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