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現在のシステム構成

開業した当初はどんなシステム構成にしたら良いか、何を基準に選んだらよいか悩むと思う。

小さく生んで大きく育てる、というのが基本方針なので、ウチの場合は安価なものからスタートしたが、安価な理由が当然あるのでそれがネックになった段階で入れ替えていった。

最初はe-govに平打ちしていた

法人化して少し経った頃から法人顧問先を受けていくことにした。
人員も少し増えてきて余裕が出てきた一方、給与支払も増えてきたので余裕がなくなってきたからだ。

障害年金はスポット業務なので、今月依頼が減ったらどうしよう的な不安は常について回る。泳ぎ続けなければならないのだ。その点、法人顧問は単価は低いがストックビジネスである。障害年金を扱う有名社労士も、言わないだけで多くは両輪で成り立っている。それまで障害年金一辺倒だったのが異質なのだ。

ということで法人顧問も取り始めたが、最初のころは設備投資するほどの規模でもないため、e-govに直接入力で電子申請したり、買い切りで安く購入した給与計算ソフトなどで給与計算をしていた。ただ、初期のe-govはおそろしく使い勝手が悪く、給与ソフトも介護保険料を引き忘れるなどのミスが頻発した。

我々は一応、先生業なので偉そうに助言や指導をすることになる。
一方で、こうしたイージーミスを連発すると悲しい。信頼云々はもちろん、それ以前に申し訳ないし恥ずかしくもある。役回りとしてこれは辛い。

ということで、ちゃんと設備投資をして社内の充実を図ることにした。

選定のポイント1:場所を選ばないこと

まず第一に重視したのは、クラウド型であることだった。

以前、データ共有はNASを導入して管理していたが、NASのハードディスクが逝ってしまう不幸な出来事があった。一応、複数HDDのNASでRAIDが組んであったんだけれど、それでも全てのデータを引き出せず、困った経験があった。
また、外部からのアクセスもできないわけではないが不便であり、外出先から仕事をすることも多かったので、データの安全性、アクセスのしやすさというのは重視した。

何かあったときでも、あのデータがないから事務所に行って作業しなければならない、というのはちょっと考えられない。

選定のポイント2:生産性の向上

単純なミスが頻発していたので、システムを使ってミスを防止するということを考えた。やはりミスを減らすには、できるだけ人の手を介さないことだ。人が介在するとどうしてもミスが生じてしまう。
この社員さんは40歳になったから介護保険料を入力しなきゃ、とかくれぐれもやってはいけない(やってたんだけど)。

勤怠であれば当然給与ソフトにボタン一つで取り込みたいし、給与ソフトからは業務ソフトに吐き出したい。この連携ができることを重視した。それまではこれらのすべてが手入力であったので、生産性という観点では最低レベルである。

ご承知のように、勤怠を除けば1つのソフトで労務も給与も対応できる社労士向けのソフトも存在するが導入しなかった。理由は問い合わせ時の対応が悪かったからだ。

そしてこの選択は正しかったことが後日明らかになった。

事務所の現在の構成

メーラー:Gmail
データ保存先:Dropbox
コミュニケーションツール:Chatwork
業務ソフト:オフィスステーションPro
給与計算ソフト:マネーフォワードクラウド給与
(勤怠ソフト:ジョブカン)
タスク管理:Jooto
スケジュール管理:サイボウズ
問い合わせ管理:メールワイズ

という形で現在は運用している。
PCを立ち上げなくてもメール確認できるようにメーラーはGmailにした。Gmail以外は有料なので、結構費用は掛かっている。でも人ひとり雇用するよりも安い、と割り切ってしまった。MFクラウド給与が段々値上がりしているのは気になっている。

サイボウズとJootoはもしかしたら何か一つのシステムで代用できる気がしているが、現状はこの体制で特に不便はない。

勤怠管理ソフトは主に事業主側で使用するが、給与ソフトに取り込む際に完璧になってないといけない。給与ソフト側で勤怠時間を修正すると、出勤簿とずれてしまうので、助成金申請時など面倒になる。
勤怠を全部事業主側に直してもらえたら本当は良いが、基本的には無理なので社労士側で聞きながら修正することになる。そうすると勤怠ソフトも扱えないといけない。

当然ソフトは絞った方が効率は良い。ある程度習得しておけば導入コンサルもできるし、勤怠集計するのだからランニングで費用を貰っても良いだろう。この辺りはアイデアと提案力次第だ。

ウチの場合、新しく顧問になった会社は、必ず最初の月は全てのソフトを自分で設定し、実際に給与計算までしてみることにしている。
それで問題点を抽出し修正してからスタッフに落とすので、トラブルは減るし、会社の理解にも役立つ。そしてこれをやっておけば、最悪一人になっても業務はできる(かもしれない)。

PC周りは、外出も多いので自分はノートPCを使用している。
事務所でも自宅でも液晶を別に一つ用意しておいて、デュアルで作業できるようにし、スタッフも皆デュアルの環境を用意した。希望者はノートPC貸与で在宅作業用の液晶も支給している。

社労士同士、結構こういう情報交換は頻繁にあって「どうやってる?」とかはよく話題になる。皆、効率化やミスをなくすというのは悩みのタネでもあり、常にアンテナを張っていると思う。

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