この主人公、カッコいい!「余命一年、男をかう」吉川トリコ(ネタバレあり)
面白い!
主人公、唯のキャラクターがカッコよすぎると思った。
40歳、事務員、独身。誰に頼ることなく一人で生きて、収支トントンで終わるのが目標で、20代でマンションを買う。趣味は節約と投資。あとキルトとネットフリックス。
女性一人の老後は厳しく、その資金のためにポイントを集めたり資産管理をしたり。弁当に冷凍食品を入れることすら贅沢だと考えている。
ケチは恥ずかしいという感覚は間違っていると感じ、他人に自分の幸せのかたちを測られたくない、そこは無視だ、と割り切れる。
結婚しない選択をした場合、「自立した女性」って唯にならない!?
20代で「一人で生きる」って決めて、経済的なこと何もかも有言実行でここまで徹底できるって、男前だよ。ほれぼれする。上司との不倫はかなり引っかかるけど……。
そんな唯に癌が見つかり、予定したより人生が早く終わることになる。資産を早く使い切らねば。病院の受付で困っていたイケメンホストに唯は大金を渡す。
楽観的でチャラいホストの瀬名がまたいい。
唯の財産のために結婚することにモヤモヤしながら、「まぁ、性別が逆ならこういうことはあることだし……」とも考えている。
恋愛小説なのに、
お金って大事だよね、と思った。
それから、やっぱ女性って不利だよな、ってこと。
軽く読めて明るいテイストなのにいろいろ考えさせられるので、とてもおすすめです。
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