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憲法#42 財産権

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憲法29条と財産権


財産権の保証→私有財産制
※私有財産制は制度的保証であり、この制度を保証することにより、間接的に財産権という権利を守っている。

財産権に関する判例

森林法共有林分割制限事件

本来共有された財産は持分を持つものが分割請求権をもつが、特別法として森林法の規定により、森林においては過半数の持分をもつ者でなければ、分割請求できない。本件において、持分を持つものは二人でそれぞれ半分ずつであるため、保存行為のみであり、単独で管理行為や変更行為をおこなうことができない。

ポイント:財産権の規制の違憲判断基準は、その規制立法の目的とそれを達成する手段の合理性のそれぞれにより判断される。

→したがって、今回にあてはめると、森林法の「むやみやたらな分割による森林の荒廃を防ぎ国民の利益に資する」という立法目的が正当であっても、「過半数の持分がなければ分割請求できない」という立法目的を達成するめの手段については合理性がないため、森林法の規定は違憲である。

奈良県ため池条例事件

ため池を総有している農民がため池の堤とうで耕作をしていたが、奈良県が条例でそれを規制した。
→奈良県条例の規制は耕作により土壌が緩み、ため池が決壊しないようにする警察的な消極目的規制である。
→財産権は公共の福祉による制約を受け、今回の場合も、当然財産権をもつものは受忍しなくてはならない。
→条例は合憲であるし、当該案件で損失補償もする必要がない。

【コラム】
命令と条例による罰則

命令や条例による罰則は法律の範囲の中で制定することは可能である。ただし、命令の場合には個別具体的で厳かな法律の委任が必要であるが、条例は相当限度に具体的な委任があればよいとされる。後者の方が比較的ゆるやかなのは、地方議会という民主主義的機構を一応は通しているからである。

演出問題

次の設問に◯か✕かで答えよ。

①憲法第29条第1項は、私有財産制度を保障しているのみでなく、社会的経済的活動の基礎を成す国民の個々の財産権につき、これを基本的人権として保障した規定である。 

→◯ 判例や通説は個人の具体的な財産権保障と私有財産制という制度的保障を併存的に保障したものとされる。

②公共の福祉における学説、内在・外在二元的制約説によると財産権については外在的な公共の福祉で制約することができる。

→◯ ただし、当該学説は通説ではない。財産権や社会権については制約的であり幸福追及権などは訓示的と解釈する。

③共有森林について、 持分価額2分の1以下の共有者は分割請求をすることができないと定めた森林法の規定は、森林の細分化を防止することによって森林経営の安定を図るという立法目的を達成するための手段として、 合理性と必要性があり、憲法に違反しない。

→✕ 旧森林法は森林の荒廃を防ぎ、安定的な森林経営を目的として立法されているが、その手段が森林の過半数の持分がなければ分割請求できないという旨は合理性に欠くため違憲となる。


④ため池の破損や決壊等による災害を防止するため、県の条例によって、ため池の堤とうに農作物を植える行為等を禁止することは、その結果、農民の堤とうの使用という財産権の行使を全面的に禁止することとなっても、憲法に違反しない。

→◯ 堤とうの使用禁止は一般的に受忍しなければならない制限であり、特別な犠牲を伴わないとされる。したがって、規制は違憲でもなく、補償も必要ではない。

※憲法29条3項の「補償」 を要する場合とは、特定の人に対し、 特別の犠牲を強いる場合をいい、 公共の福祉のためにする一般的な制限である場合は、原則として、これを要しない。

憲法上、補償が必要となる場合であるにもかかわらず、ある財産権の制限を規定した法令に、その補償に関する規定がないときは、その法令は直ちに違憲無効となる。

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