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民法#40 物権序論①

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物権と債権


→前者は誰に対しても排他的に主張することができる権利
→原則的に一つの物には一つの物権しか成立しない。これを一物一権主義という。
→物権は法定されており、勝手に作出することはできない。物権法定主義という。
【コラム 法定された物権】
占有権、所有権、地上権、地役権、永小作権、入会権、質権、留置権、抵当権、先取特権 なお、占有を正当たらしめる物権を本権という。

→物権に対して債権は契約などにより、特定の事柄を特定の対象に請求できる権利である。

公示の原則


権利はその表象を当事者以外にもわかるように表示しておかないと、第三者に対抗できないという原則。このように法的効力が不完全なだけで、無効ではない。第三者に対抗できないが当事者である相手方には公示がなくても、対抗できる。不動産は登記、動産は占有となる。

公信の原則


公示の内容が間違っていた場合、公示を信じて取引に入った者を保護する原則。日本の登記には公信性が認められない。動産の占有に関しては即時取得の制度があり、公信の原則を認めている。

※物権の設定および移転は、意思表示のみによって効力を有する(物権変動)。ゆえに、必ずしも公示されるとは限らない。したがって、実際の権利関係と公示が一致しないことはしばしばあり得る。
 不動産における公示の役割であるが、一般に公示がされていない権利は存在しないという権利の不存在について信頼を保護していると言える。公示がされていない権利については誰からも主張されないからである。もっとも、公示がされていないといっても、無効ではないので第三者に対抗できないが、当事者である相手方には主張できる。
 反対に、公示がされていない内容を信頼して取引をしたとしても、取引の相手方が無権利者である場合は公示されている権利を取得することはできない。何人も自己が有するより多くの権利を他人に譲渡することはできないからである。

物権的請求権


①物権的妨害排除請求権
②物権的妨害予防請求権
③物権的返還請求権
※物権的請求権は物権そのものが権原であり、故意や過失を問わない。つまり、意思無能力者であろうと、制限行為能力者であろうと請求できる。
※登記した賃借権でも物権的請求は可能
※物権的請求をする場合、自己の所有権と相手方の占有を証明すればよい。

物権的請求は登記上の名義人ではなく、実際に占有している者に対してするのが原則であるが、自己の意思により登記をして登記がそのままの状態で別の所有者が占有している場合は登記名義人にも占有者にも請求できる。

行為請求権説
物権的請求権の本質は相手方に行為を請求するとする説。判例はこの立場をとる。したがって、特に不可抗力の場合、相手方に費用の請求がいく。しかし、その場合早い者勝ちになってしまう批判がある。
→そのため、物権的返還請求において不可抗力の場合は認容にとどめるという修正説がある。ただ、その場合でも物権的妨害排除請求の費用は相手方もちである。

認容請求権説
物権的請求権は相手に認容を求めるという説で傍論とされる。したがって、請求側の費用もちが原則だが、相手方に故意や過失がある場合はその限りでない。

【コラム 費用と損害賠償】
 物権的請求権は物権から派生したものであり、故意や過失を問わない。そして、請求にしたがってことをなすには費用が必要であり、請求側と相手側のどちらが負担するかの議論が上記である。
 なお、損害賠償は故意や過失を要件とする。

演習問題

次の設問に○か×かで回答せよ。

①所有権に基づく妨害排除請求権は相手方が責任能力を欠いている場合でもその成立を妨げられない。

→物権的請求権は、物権そのものの性質から生じる権利であるため、相手方の能力の有無や故意・過失(責任)の有無とは無関係である。

②甲は甲所有のパソコンを所有している乙にたいして、所有権に基づきパソコンの返還を請求した。この場合において、甲は乙に占有権原がないことを主張・立証しなくてはならない。

→✕ 自らの所有権と相手方の占有を主張立証するだけでよい。

 ③A所有の甲土地にBが乙建物をAに無断で建築し所有している場合において、Aが甲土地の所有権の登記名義人でないときは、AはBに対して甲土地の所有権に基づき、乙建物の収去及び甲建物の明渡しを請求することができない。

→✕ Bが現に建物を所有しているのでBに請求すればよい。また、Bは不法占拠しているため、Aは登記なくしてその所有権ーBに対抗できる。

④Aがその所有する甲土地を深く掘り下げるために隣接するB所有の乙土地との間で段差が生じて乙土地の一部が甲土地に崩れ落ちる危険が発生した場合には、Aが甲土地をCに譲渡し、所有権の移転の登記をしたときであっても、BはAに対して乙土地の所有権に基づく妨害排除請求権を行使することができる。

→✕ AはCへの所有権移転登記を完成させているので、Bに対して所有権の喪失を主張することができる。AはCに物権的妨害予防請求をするべきである。

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