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【ピアノ初心者の30代サラリーマンがコンクールに出場するまで】⑥

ついに電子ピアノを購入し、暇さえあればピアノを触る日々。

好きな曲の1フレーズを何曲か弾いたが、ちゃんと一曲仕上げようと思い取り掛かったのが久石譲の「Summer」

※全曲弾いた動画は無かったので、当時途中まで弾いたものを抜粋。

いつもと同じように右手、左手、両手の繰り返し。ただ冒頭から右手は16分音符、左手は8分音符。これが全く合わない。。どうやったら両手が違うリズムで音を鳴らせるのか不思議だった。

ミスは置いといて、3,4ヶ月で何とか形になった。楽譜読んでいる訳でもなく完全にyoutube先生に習った我流だが、少しずつ出来るようになる喜びや楽しさを感じていた。

この曲と並行して、クラシックをやろうと思って選んだのがド定番の「エリーゼのために」。しかし全然進まず断念。

次に手を出そうとしたのが、これまたベタな「トルコ行進曲」。全然指が回らずこれも断念。

そして選んだのが、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番「月光」第一楽章
何故かと言われても分からない。上記2曲と比較しテンポもゆっくりで、何となく弾けそうと思ったからである(ピアノ舐めすぎ…)

電子ピアノ(CASIO)の説明書と一緒にクラシック曲集の楽譜が付いており、たまたま月光も載っていた。
がしかし。調号が多すぎて吐きそうになったので楽譜はやっぱり諦めた。

参考にしたのは「むつこピアノ教室」の動画。
初心者向けの動画を色々見たが、これが一番とっつきやすかった。

月光はLesson9まであったが、これを見ながらひたすら練習。
でも不思議と無理とは思わなかった。多分出来る、という何の根拠も無い自信とやる気のみで練習に取り組んだ。

のちにショパンの「雨だれ」も弾くことになるが、これも同じむつこ教室のおかげ。むつこ先生には本当に感謝!

月光がようやく形になったのは半年後。
自分からすれば何かに没頭したのは大学受験勉強以来であり、何とも言えない充実感と達成感があった。

そして何よりも、独学とは言え気づいたら曲を仕上げるまでになる程、毎日努力した事が自信になった。やれば出来るやん!と。

でもここで満足しないのが当時の私。
「もっと上手く弾けるようになりたい」と、向上心が芽生え始めた。

思い立ったら即行動。すぐさまピアノ教室探し。
日程の変更に融通が利き、更にグランドピアノの練習室が無料で利用可という素晴らしい教室を見つけ、体験レッスンを申し込む。
家からチャリ圏内やし、文句無し!!!!


そしてレッスン当日。
教室の代表の方が対応して下さり、これまで独学でやってきた事を伝えると、「じゃあ今やってる曲弾いてみて」との事。

これが人前で弾く始めてのピアノ演奏。でも独学で合っているか分からない。あの部分、間違っているのでは…。気にする事では無いのに、色々考えると変な汗が出てきて、手も足もビックリするくらい震えていた。

あの瞬間は人生で一番緊張したかもしれない。就活の面接や好きな子へ告白する時の緊張が可愛く思えるくらい。
そして足は富士山を下山した時のようにガクガク。

人生で最も長く感じた6分間が終わり、
「独学で勉強したなんて信じられない。是非うちの教室へ。あと来月、教室の発表会やるんですけど出てくれませんか?」
と、先生からお褒めの言葉と、まさかの発表会へお誘い頂いた。

私はためらわず、「是非ご指導お願いします。発表会も参加します。」と二つ返事で回答。

こうして教室へ通うこととなり、思い掛けず発表会へ出ることにもなった。



人生初の発表会まで約2週間。
気持ちを新たに、練習の日々が始まった。





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