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「日経平均、バブル期超えはバブルなのか?」

こんにちは、「文字と音声で表現するKindle作家」経営コンサルタントの藤野屋新之助です。

「日経平均バブル期超えはバブルなのか」

今回はこんなタイトルでお話しようと思います。

日経平均の史上最高値は1989年12月29日につけた終値ベースで38,915円でした。取引時間中の最高値は38,957円44銭。
金額としてはここが最高値、バブル経済絶頂期の記録です。

さて、本日2024年2月16日の日経平均の終値は38,487円24銭、あと430円くらい上昇すればかつての最高値を超える形になります。

両時期の経済状況をあくまで私の肌感覚ですが、比較してみます。
1989年当時、私は20代中盤でした。
とある銀行の片隅で法人営業をしていました。東京都内の支店です。
当時は、確かにバブル的な感じはありました。
通常であれば、数年かかりそうな目標数字が半年するかしないかで達成できました。

たかだか20代中盤の人間でも何十億という融資案件がかなりの数、それもかなり速いペースで成約できていました。

ペースが速いという例で、こんな事がありました。
これは話が流れたほうですが、不動産融資の事例です。
ある不動産業者から借入の申し込みがあり、稟議を書いている途中で、「ごめん、もう売れてしまったので融資はいらなくなった…」との連絡。

プロジェクト段階で売却契約が成立、手付金と手元の資金で建設が進められるので、融資を受ける必要がなくなったとの事でした。

こんな事が、いろんな局面で起こって、まだ完成もしていないビルが、ぐるぐる、ぐるぐる回って、その度に値段が吊り上がっていったのです。

そうして膨れ上がったお金、今度は株式市場に入り、こちらも、どんどん値を上げていきます。

また、その逆もあります。株で得たお金が不動産に回り、不動産の値段を押し上げる。

まさにキャッチボールです。そうやって常道を逸したレベルまでバブルが膨れ上がっていったのです。

バブル当時の株価がいかに割高だったか!


さて、話を株価にフォーカスしていきましょう。
バブル当時の株価がいかに割高だったか、これを見るひとつの指標として、「株価収益率」を比較していきます。

株価収益率というのは、「その株価は、その会社の1株あたり利益の何倍かを表すもの」ですが、当時の上場企業の平均的な株価収益率(PER)は60倍から70倍位だったと記憶しています。

一般に割高、割安の基準はこの株価収益率15倍前後が妥当だと言われ、それより低い、例えば10倍だと割安と判断されます。

もちろん業種や個別企業のその時点の業績にも依ります。10倍でも、業績が悪い、回復の見込みが立ちにくいとなれば割高の場合もありますからね。

この点をみれば、「当時の株価収益率60倍、70倍がいかに高い水準」だったかが分かります。

現時点の日経平均の株価収益率は16倍前後


さて、翻って現時点の日経平均を株価収益率でみれば、「16倍前後」です。

日経平均の株価自体は、同じような水準ですが、株価収益率で見ると、1989年当時とは全然違うのです。

この点を考えれば、現在の株価は決してバブルとは言えない訳です。

実際、経済状況をみても、当時とは全然違って「イケイケみたいな感じはない」ですからね。

だからと言って「まだまだ日本株は上がりますよ!」というつもりもありません。
株のことは、本当にわかりません。あくまで参考の一つとして下さい。

お決まりのフレーズ「投資は自己責任でお願いします!」です。

それでは、また!
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