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ドイツで保育士のストライキに参加してみた。

あー、また電車走ってないのかよ。いい迷惑だよな。

と、ついついボヤいてしまうことはよくある。
ドイツの鉄道機関士労働組合の大規模ストは記憶に新しい。
出かけるのが一気に億劫になる。

ただ今デモの影響で路面電車が時刻通りに走っておりません。

なんてこともある。街中を練り歩くタイプのデモ行進だ。
大勢の人がラッパを鳴らしながら車道を歩いている。
警察もちゃんと付き添っている。

あー、もう勘弁してくれよ。遅れるじゃん。

なんて何に対してのデモかも興味なしで、ボヤいてしまう私。

ベルリンでは3月8日が国際女性デーとして祝日なのだが、知人のドイツ人は女性の権利の向上を訴えるデモに参加してきたわ!と言っていた。
頭が下がる思いだ。

そんな私が、先日、初めてストライキに参加して来た。
保育士のストライキである。

さて、ストライキに参加するにあたり、何か持っていくべきかと思って、非常に簡単ではあるが画用紙に今回のスローガンを書いてみた。

全員に首都手当を!

ぼんやりと、150ユーロの補助金が打ち切られることへのストライキ、ぐらいにしか分かっていなかったのだが、ドイツで一度はストライキに参加してみたいという不届な理由で参加した。

私が理解した限りでは、月々150ユーロの交通費などとしての補助金が民間の保育園に勤務する保育士に対しては支給されないことに決まった、ということだ。よって平日の木曜日、大勢の保育士たちが州議会の建物の前に集まったのだ。

すごい人だった。

では平日の木曜日にたくさんの保育士がここにいるということは、保育園はどうなったのでしょう。

閉まっている。
もしくは園の時間が短縮された。

私が働く保育園は後者だった。ストライキに参加する保育士と、保育園で働く方を選択した保育士は同じぐらいだった。
ちなみにストライキに参加しても給料には影響はないとのこと。

ストライキはちょっとお祭りのようだった。別に屋台は出ていないが、たくさんの人がいて、笛を鳴らし太鼓を鳴らし声を上げていて熱気を感じた。

そして前方に昔の同僚を発見。
しかも一番苦手だった同僚だ。

思わず後方に逃げる。

「どうして逃げるの?」
と言われて少し恥ずかしくなった。

う、どうして逃げているんだろう。
全然勇敢じゃないね。

1時間もしたら帰りたくなった。この日は寒かったのだ。
歩かないデモで立ちっぱなしだったので辛くなってきた。
保育園からは2時までと言われていたが、ありがたいことに1時間半経ったところで同僚が帰るというので、私もっと一緒に帰った。

街の中心まで来たので、帰りにMUJIとユニクロに寄ってみた。
どちらとも日本のMUJIとユニクロより高級感を出していた。
そうだ、日本に夏帰るのにわざわざ今買わなくてもいいんだ。そう気づいてうちに帰った。

訴える、という方法を肌で感じた日だった。
私は全然強くないけれど、大衆の力は無限だなとぼんやり思った。

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