『シャドー81』を語る

 『シャドー81』(ルシアン・ネイハム著 中野圭二訳 ハヤカワ文庫)は、ハイジャックものですが、その手法が破天荒です。ハイジャックは、hijack で、強奪するのは飛行機に限らないようです。車両からの荷物の強奪もハイジャックというそうで、ちょっとややこしいですね。かなり前に『トラックジャック』というドラマを見た記憶がありますが、これはハイジャックを highjack つまり飛行機強奪と理解し、「じゃトラック強奪ならトラックジャックだ。」と考えたのか、又は「視聴者にはその方が分かりやすいから、不正確な表現だけどいいや。」と考えたのでしょう。
 この本は、500ページ近くあるので、「ハイジャックもので500ページも興味がもつかな?」と危惧しましたが、そんな心配は要りませんでした。二日間で読み終えました。そして、「こんなにすごいアイディア出す作家がいるなんて、世界は広いなぁ。」と思いました。
 特に、終盤のまとまり具合の見事なこと。

 仕事がなければ徹夜して1日で読み終えることができたでしょう。そのことだけが残念でした。

以上

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