83 無智の家に住んでいる

 われわれは、いつでも無智の家に住んでいます。生命の住処(すみか)は無智なのです。しかし、そのことに気づきません。 生命の実感としては住所不定といったところでしょう。あるときは「怒り」に住み、あるときは「喜び」に住んでいるような気がしています。いろいろな心の状態に住んでいるように感じているでしょうが、実際には、それは無智とい う大地の一部に過ぎないということに気づきません。みなさんが日ごろから「嫌だな」と思うこと、避けたかった不幸に出遭うこと、不愉快なことなど、それらすべての根源は無智です。そして、それをなくし、無智の不幸から身を守る命綱は理性です。生命が無智を破り、幻から目覚めて、ありのままに物事を見るには理性に頼るしかないのです。みなさん、ぜひ無智の壊滅に挑んでいただきたい
『一瞬で心を磨くブッダの教え』第2章 仏教の教えを理解する《修行》アルボムッレ・スマナサーラ サンガ出版【バカの理由 役立つ初期仏教法話12 (サンガ新書045) p171】

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