言葉のパンチドランカー

毒親からずっと、どうしようもない罵声を浴び続けてきたせいで、ちょっとやそっとひどいことを言われても「ひどい」と認識できないことが多々あるようである。

私が通っていた大学は、普通の大学より学費の低い学校だったので、我が家ほど貧乏ではないが、お金持ちの子女は皆無と言っていいようなところであった。

自分の高校時代の、親が電気代を惜しんで私に受験勉強させなかったエピソードを、ある先輩にはなすと、「だからこんな貧乏くさい大学にしか受からなかったんだな」と言われたのであった。

当時の私は、先輩の言葉に対して、面白い表現だと思って、真面目に面白がっていたのである。

同級生に、「先輩にこんなこと言われた」と言ったのは、面白い表現をシェアしたかったからであった。

それに対して同級生達の反応は自分が思ってもいなかったものであった。

ある人は「ひどい…」と言った。「私はひどいと全然思わなくて、面白いと思ったんだよ」と言うと、もう一人の人が「言葉のパンチドランカーや」と言った。そうなんだ、私は言葉のパンチドランカーなのかと思い、今だに忘れられない言葉となっている。

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