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化学メーカー3年目の転職

新卒入社した会社を3年勤務し、転職しました。
この会社で経験したこと・感じたことを備忘録がてらまとめます。

まとめ

僻地工場から都心勤務にするために転職しました。
結果的に年収も微増し、福利厚生も良くなったため良いことづくめの転職になりました。


前職
総合化学メーカー開発職
年収600万(残業30~50時間/月)
僻地工場在勤
現職
材料メーカー開発職
年収650万(残業30~50時間/月)
都心研究所在勤


自己紹介

新卒で総合化学メーカーに入社し、半導体向け材料の開発業務を3年間経験しました。開発職で主業務は新製品開発と既製品改良で、今最も熱い産業分野である半導体分野ということで、メーカーにしては仕事量が多かったのではないかと思います。

学歴は旧帝大修士卒でゴリゴリの合成系研究室に所属していました。
学部と院で研究室を変えており、有機合成から無機合成、果てにタンパク質や金属錯体など様々な物質を扱った経験があります。
新卒入社の面接時では、多種多様な材料に触れたことがある経験を買われ、混合材料である半導体材料を扱う部署に配属されました。
その後、新製品開発から既存製品の保守業務・特許執筆・技術サービス対応など経験し、転職後も引き続き半導体材料の開発業務に従事しています。

転職のきっかけ

僻地工場で勤務していましたが、家庭の事情で都心に勤務する必要が生じました。前職の仕事内容に文句はなかったのですが、ライフプランを考えた時に僻地に生活基盤を置くと様々な可能性が潰れてしまうと考え、勤務地を変えようと決意しました
また前職はお客様の納期が近くなると平気で日付を超えるぐらい業務時間が爆増することがありました。そのような生活が嫌だったわけではありませんが、家族のことを考えると労働スタイルを見直す必要があると感じました。

勤務地を変えるだけなら転職以外でも社内異動という手段があります。これは転職よりも楽で、かつキャリア・給料がリセットされません。私も社内異動を希望していましたが、僻地→都心の異動は倍率が高く、転職先を探した方が早そうだという結論に至りました
タイミングによっては社内異動の方が楽なので、会社の規模や予算分配などを考えて戦略的に進めれば簡単に勤務地を変えることはできると思います。

転職によって業種は変わらず開発職ですが、前職が現場寄りだったのに対して現職では研究所寄りなため無理なスケジュールに振り回されることなく、自分で業務量をコントロールできている実感があります。
年収に関しては前職では残業込みで600万円ほどで、Dodaに掲載されていた年代別の平均年収を見るとそれなりに稼げている印象です。給料には特に不満なかったのですが、転職で少しだけ給料が上がりました。都心での物価を考えるとトントンなのかもしれません。ただし、転職先の方が福利厚生が良いため、実質的に年収は100万円程度上がった印象があります

doda調べでの年齢別平均年収; https://doda.jp/guide/heikin/age/

希望通りの転職をするために

転職先で実現したいことを考えました。私の場合以下の通りです。

  1.  勤務地が都心近くにあること。

  2. 特許や論文、学会発表など、外部に自分の名前を売る機会があること。

  3. 製品化を見込める仕事内容であること。

勤務地は最優先事項でした。
都会にに勤務地がある化学・材料メーカーをリストアップし、いただける給料を考え優先順位をつけました。
特許や論文を調べ、その勤務先で自身のキャリアを高められるかも重要な指針になりました。と言いつつも、都心に研究所などを構える材料メーカーである程度の給料がいただけるところは限られていたため、ホームページを見て気になったところに直接応募することにしました。
転職エージェントも利用しましたが、結果的に自分で進めてたら決まってしまった感じです。

転職活動

履歴書や自己推薦資料(スライド・職務内容の説明書)を準備し、書類選考と面接を進めました。
昨今の若者の離職ブームのおかげかすんなり選考は進み、特に苦労なく転職に成功しました。特に半導体分野は人手不足なので、ある程度業務ができそうな人材であればポテンシャルを信じて採用しているようです。

面接では実績よりも「何を経験してどのように対処したか」を重点的に掘り下げられました。
特に関心を持たれた内容について、以下に紹介します。

1.技術サービス的な経験
開発職の仕事内容は幅広く、お客様と顔を合わせて製品紹介や開発方針の打ち合わせを行っています。特に製品の品位や横展開に関しては開発職の判断が求められることが多く、研究とは程遠い業務に携わることもあります。
この業務経験の有無・またストレス耐性を問われていたのではないかとおもいます。

2.英語での業務経験
私自身英語は全く話せませんが、国外のお客様との打ち合わせは英語で話す必要があります。営業の力も借りながら、片言で話していましたがその経験の有無が重視されたと考えています。

3.データサイエンス
AIブームに乗っ取り、効率的な仕事を行うためにPythonやRなどのプログラムが(ちょっとだけ)できることは重要です。前職では統計的な品質管理や機械学習を利用した材料探索などをPythonで行っていたため、その経験について深掘りされました。

合格後にいただいたフィードバック
なんとなく優秀そうに見えたというのが本音のようです。
実際私は十分に英語を話すことはできず、技術サービスもお客様にお叱りを受けながら何度かギリギリ生き延びているというのが実態です。
しかし少しでも経験していれば、自信満々に話すことで受け手の印象を良くすることができ、経験豊富な人物だと思われます。
転職後化けの皮が剥がれることにはなりますが、それはその時の自分がどうにかすると信じて、希望の職種につけるように全力を尽くすことが重要かと感じました。

転職を考えたらやっておくこと

私はまだ若手なため第二新卒としてポテンシャル採用いただいた節があります。4年目以降の方々は実績が重要視されるため、面接で話す内容の説得力上げるための証拠作りが重要になると考えています。

私は現在半導体材料に関するキャリアをキャリアを積んでいますが、もう分野を変えるのは難しいのではないかと考えています。今後転職し、キャリアアップを目指すのであれば半導体分野で技術営業への鞍替えや、エンジニアとして圧倒的な実績を提示することがまず思いつくことです。第二新卒であれば簡単に分野を変えられますので、一つの分野にこだわらず「転職で何を変えたいのか」を熟考し、道を選ぶ必要があると思いました

最後に

新卒3年目というエンジニアとして経験が浅い時期に、簡単に転職できたのは時代の流れとあっていたという点が最も大きいです。
勤務地は希望通りの場所に帰ることができましたが、給料を上げるとなれば別のアプローチが必要ですので、数年後にまた備忘録を残したいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました。

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