バイトか?副業か?
バイトという世界
医師の雇用は他職種と大きく異なる。
中でも最も大きな違いは、多くの医師がメインの常勤先と、外勤と言われるサブの勤務先を持っているということだ。
外勤は一般にバイトとも呼ばれる。
時間単位としては週の半日〜1日が多い。平日に”研究日”と称して常勤先の休みをもらっていくケースもあれば、土日を削ってバイトに励むことも多い。
また、非常に奇妙なことにバイトの方が時給が高い。
地域差や専門性によっても異なるが、一般的に半日4万(時給1万円相当)の求人はよく見られる。
一般の総合病院は時給にして5000円程度が多い為、ほぼ倍の報酬だ。
仮に毎週土曜午前に半日バイトをすれば、年間で
4万 x 4週 x 12ヶ月=192万となる
つまりバイトとは言え、トータルではかなりまとまった収入となる。
下記のように多くの医師がバイトの給与で生活を成り立たせている。
また医師には夜勤のバイトというのも存在する。
平日の仕事が終わった後に、夜は泊まりで別の病院で働き、朝から勤務先に戻って連続36時間働くという方法だ。
昨今は働き方改革の影響もあり制限はあるが、通常営業時間の月-金の9時-17時に加え、
月-金の夜勤
土日の日勤/夜勤
とそもそも勤務可能な時間自体が他職種に比べ多い。
これに時間外などを組み合わせていくと普通の勤務医は大体年収1500万程度になる人が多い。
逆に言ってしまえば皆が休んでいる時間に働かなければそこまではいかない、ということだ。
稼ぐことへの誤解
正直に言って、若い頃はバイトによく行っていた。
バイトには仕事内容にスキルを要するものは少ないし、医師免許さえあれば誰でもできるような業務が多い。
求人を出している病院は小規模な所が多いため、さして重症も来ない。気は楽だった。
また、独身でどれだけ働こうが病院に泊まろうがあまり関係なかったし、体力もあった。
自分で求人に応募して仕事をこなして給料をもらう行為自体に熱中していた節もあったと思う。
ブランド品や外食で散財する時も、
「まあ、一日寝ずに働けばいいや。」
「せいぜい夜勤2回分だな。」
などと考えるようになった。
そんな生活を続けているうちにふとした疑問が湧いてくる。
考え方の変化
自分はいつまでこうやって病院に泊まりこんでお金を稼ぐのだろう?
40歳?50歳?その歳になっても研修医でもできるような仕事にしがみ付いて日銭を稼ぐのか?
結婚して家庭を持つとさらに見える世界が変わってくる。
家族ともっと過ごしたい。今この時しかない子供の成長を見届けたい。
夜勤に行けば、育児を妻一人に押し付けることとなってしまう。
夜勤明けは当然消耗しているため、せっかく家に帰ってもすぐ寝てしまう。
土日にバイトを入れれば友人たちとの休みも合わない。
複数の勤務先があるため、まとまった休みが取れず長期休みも細切れになってしまう。
また、思ったよりも税引き後の手取りは少ない。累進課税は稼げば稼ぐほど時給が悪くなっていくシステムだからだ。
そしてなにより”稼ぐ”といえば聞こえはいいが、所詮は時間を買われてお小遣いをもらっているこに過ぎない。
この働き方では、自分も家族も幸せにできない。
バイトか?副業か?
他職種と比べて、単価の良い複数の勤務先を確保できる点は強みではあると思う。
一方でそれが医業以外の副業への足枷となっているのもまた事実だ。
また、本業の医療行為自体がかなりの集中力と修練、根気が必要なもののため、それ単独で消耗してしまうことも大きく影響していると思う。
やったこともない、やり方もわからない、稼げるかもわからない副業
に頭や時間を使うより、
時間を売れば貰える割の良いお小遣い
を取ってしまうのある意味自然なこととも言える。
僕自身もそれに気づくのに、時間がかかった。
そして、気付いてから動き出すのにもっと時間がかかった。
副業か?バイトか?
僕は副業が正解だと信じている。
答え合わせはこれからの自分でしていくつもりだ。
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本業も副業もハードワークすることをコンセプトに定期的にnoteで発信していきます。
現在は自身の職業や業界についての発信が多いですが、ゆくゆくは同じ志をもった幅広い世代、職種の方と関われるようになりたいと思っています。
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