過ぎ去ることのない(非)記憶-アラン・レネ『ヒロシマ・モナムール』から原爆の芸術的表象について考える
『ヒロシマ・モナムール (Hiroshima, mon amour)』(邦題『24時間の情事』。以下『ヒロシマ』と略)は、フランスの映画監督アラン・レネが、作家マルグリット・デュラスにシナリオを依頼する形で製作され、59年のカンヌ映画祭で非公式な形で上映された映画作品である。非公式だったのは、広島への原爆投下という題材の性格から、アメリカの反感を買うことを作品をセレクションする委員会が恐れたからだった。作品はカンヌで賛否両論を呼び、センセーションを巻き起こす。結果、後日一般