空地

32歳/女性/元銀行員/元文系院生/パラサイト・シングル/フェミニスト/拗らせ青春もの…

空地

32歳/女性/元銀行員/元文系院生/パラサイト・シングル/フェミニスト/拗らせ青春もののアニメと漫画と小説と文学が好き(『氷菓』『四畳半神話大系』『俺ガイル』『化物語』あと、ウィリアム・フォークナー)/ミニマリスト(リュックひとつで世界中行くよ)

最近の記事

「死ぬ前にひ孫の顔が見たい」おばあちゃんへ

「いつ結婚するの?」 「早くしないとおばあちゃん死んじゃうよ」 「死ぬ前にひ孫の顔が見たい」 「赤ちゃんがいたら楽しいだろうなあ」 「○○家の名前がなくなったらさみしいよ」 近年のジェンダー観からすれば完全にアウトな言葉を、「おばあちゃん」と呼ばれる生きものは、無情にもよく吐く。 (結婚って法律婚のこと?それってどんなメリットがあるわけ?) (私の結婚とあなたの死、何の関係があるんですか?) (てか、そもそも、何でわたしの子供が見たいの?近所の子じゃダメなの?) (あなた

    • 「いつか帰ってきて」という絆の呪い

      『エンジェルフライト』1話のテーマ――母の愛 Amazon Originalドラマ『エンジェルフライト』は、海外で死んだ人の遺体を国境を越えて搬送する「国際霊柩送還士」のお仕事ドラマである。 久しぶりに観たドラマのお涙頂戴っぷりに胸焼けしつつ、作品としては素晴らしいものなのだと思う。映像もきれいだし、ストーリーのテンポもいい、役者の演技もいい。 1話は、マニラで亡くなった青年の遺体送還に関するお話だった。その青年は、7年前にSNSで炎上騒ぎを起こし、著名な建築家である父

      • 32歳の私が始めた終活②モノ編――物理という枷――

        物欲まみれだった二十歳の時、可愛いものは何でも(お金が許す限り)欲しい!!という、ラデュレのマカロン並みに甘い考えを持っていた。 3月11日に地震が起きた時、コピス吉祥寺のジュンク堂にいたわたしは、練馬にある実家まで数時間かけて歩いて帰った。 大変な苦労をしている人がいるようだという意識はあったが、被害のあった震源地から離れた場所に住むお気楽大学生の日常は変わらなかった。 が、わたしのモノに対する考え方はその時期を境に変わったらしい。 様々な思い出を内包した雑貨や写真

        • 32歳の私が始めた終活①人編――「いる人リスト」と「いらない人リスト」――

          3つの終活で「身軽」に生きる 「身軽でいたい」と思うようになったのは、おそらく20歳ぐらいのとき。きっかけはさておき、その後10年を超える歳月を経た今、その身軽さ願望の延長として、わたしは人生の終わりを見据えるようになった。 32歳の私が始めた終活項目は、 人 モノ お金 すぐさま死ぬというわけではないから、これら全てを一気に捨て去ることはできないが、とはいえ、絶えず死に向かいゆく自分の今を生きるためにこそ、少しづつそれらを手放して「身軽」でいたい。 終活①人編

        「死ぬ前にひ孫の顔が見たい」おばあちゃんへ

        • 「いつか帰ってきて」という絆の呪い

        • 32歳の私が始めた終活②モノ編――物理という枷――

        • 32歳の私が始めた終活①人編――「いる人リスト」と「いらない人リスト」――

          死ぬときは、立つ鳥跡を濁したくない

          「他人様に迷惑をかけたくない」という、くだらない羞恥心を隠蔽した信条を持っているわりに、自分が死ぬときの想像をまったくしない人が意外と多い気がする。 3年前、わたしの母がステージ4の癌だとわかった。 母、父、兄、そしてわたしは揃って病院に足を運び、病気の進行具合と今後の治療方針を聞いた後、ルミネ池袋のつばめグリルでハンバーグをもりもり食べた。 その後、それまで母が管理していた銀行口座、保険、その他契約状況は、家族に共有された。 また、現在の家計の履歴は、新たに登録され

          死ぬときは、立つ鳥跡を濁したくない