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ステロイドは副作用のデパートです


私は膠原病の多発性筋炎です


膠原病とは何ぞやと申し上げますと、自分を守ってくれるボディガードがストライキ行動を起こしやがったぜ、というものです。
まともに仕事をしてくれなくなったので、体の色々な所で暴動略奪強盗などの色々な面倒ごとが起きてしまう、それが膠原病です。

そして私の症状が多発性筋炎ということは、RPGゲームに例えれば、バーサク状態になった戦士が同じパーティである私にフレンドリーファイアをし始めた、という状況です。

奴が狙うのは、体幹に近い筋肉ばかり。

首、両肩、両腿、という、即死は絶対しないけれど寝たきりを狙われているな、という陰湿な野郎だな攻撃です。
と、いうことで、寝たきりになりたくなければステロイド治療という、筋肉野郎にはステロイドというまんまな選択を取らねばなりません。

ステロイドには副作用があるんだよね?


ステロイドは誰もが知っている、副作用のデパート、というものです。
治療前には担当医師だけでなく、薬剤師からも、しっかり過ぎる程の説明を受けました。
彼らが言いたいのは、途中で勝手に止めるんじゃないよ、それだけです。

ステロイドは人体で作っている物質でもあるので、大量に入れる事で体内で作られなくなり、勝手に薬を止める事でステロイドが作れない体のために死んでしまう可能性が出るからです。

実際服用して思った事は、膠原病で死に体な体が羽が生えた様に軽く感じるぐらいに効く薬だというものです。
なのにそんな薬をどうして止めたくなってしまうのか。

副作用があるから、それだけです。

「すごい薬の量になるのですね」

多発性筋炎の治療はクスリを飲むだけです。
私の目の前に、ステロイドの大量錠剤のほかに、感染症予防の薬であるダイフェン、胃薬、骨粗鬆を防ぐ薬が入った袋を差し出されました。

「ステロイドの副作用を予防するものとなります。ステロイドセットと呼ばれていますね」
「セットになっているのですね」

この時点でステロイドは50ミリ。
私はステロイドの副作用が怖かろうが、何も考えずに受け取るしかない。
それどころか、その時点での体の状況は、塩をかけられたナメクジな気持ち、という、力が入らない体からどんどん何かを失っているような、そんな怠さに襲われていたのだ。
楽になる薬をくれ!!
そればっかりだった。
さて、初めて服用したその翌日、前述したように私の体はナメクジからイカぐらいの小さな骨があるぐらいの生き物に進化していた。

「すごい。ステロイド」

私はとってもウキウキだった。
だが、看護師医師は、体調その他を根掘り葉掘りと聞いてくる。物凄く副作用について心配してくれているようだった。
けれども、その時点では彼らが心配する事態は起きていない。

「あ、でも、右腕のひじの内側あたりに一つだけ蕁麻疹らしきものが出たんですよ。二時間ほどで消えましたけど」
「増えたりはしなかった?」
「はい。ぽつんと出て、二時間後に綺麗に消えました」

このポツン蕁麻疹は医師の首を傾げさせることになったが、そいつはステロイドが40ミリに減った時に正体を現せた。

副作用出現!!

薬疹の出始めこの後は全身が赤い発疹で真っ赤に腫れる

薬疹である。

感染症予防のダイフェンが原因だと見立てられ、私のステロイドセットからダイフェンは消え去った。
薬疹も当たり前だが消え去った。
だが、ステロイドを服用する限り、感染症を予防するお薬は必須である。
ステロイドを飲むことで免役力が無くなるので、通常だったら感染しない菌に日和未感染してしまうのだ。
そんな私にダイフェンがわりに追加されたお薬、それがサムチレール

絵の具ではありません

黄色の絵の具にしか見えないし質感もまんま絵具なこのお薬、なのに一包1780円くらいとかなり高額な食わせもの。
それを1日1回、2包も飲まねばならない。

病気で死ぬよりもお金が無くなって死にそう……。
これもステロイドの副作用といえるのかな、ステロイド止めたいな。

つまり、そんなステロイドの副作用なお話でした。

現在はステロイドも12ミリに減り、難病認定も受けられたので医療費は楽になりましたが、この先もずっと薬と診察台で二万円は払い続けなければいけない、という所でウンザリしてます。
健康って、本当にお金で買えないものですね。