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理系高校生の読書語り#3『星の子』


 今回は小説、『星の子』です。実写版は見たことないけど、いつか絶対見ようと思っています。芦田愛菜主演。年も近いし、絶対勉強になると思う。どうでもいいけど芦田愛菜ってめちゃくちゃ優秀じゃないですか?なんか読書の本とか出してるし、コメント求められた時の返しが素晴らしすぎてよくニュースになってる。なんなんだろう。恐ろしい。まあ『星の子』を見て、その圧倒的な芦田愛菜パワーの前にひれ伏したいと思います。


 とか言ってる間にもう200文字ほど喋ってしまいました。早く本題に。『星の子』です。


 これは母親にお勧めされた本でした。旧統一教会のニュースがあった時からそれとなく読んでみたら?と促されてはいたんですが、すっかり忘れてました。親の寝室を漁ったらたまたま本棚にこの本があったので、読んでみることに。


 1時間半くらい掛かったかな、全部読んじゃいました。最近の自分には考えられないほどの脅威的スピード。とにかく読みやすかった。中学生の子供視点で、一人称で話が進んでいくので、ページを捲る手が止まることなく、するすると最後まで行ってしまいました。ちゃんと読んでるのか。読んでます、多分。


 序盤を読んでる時に最初に浮かんだのは、「これが宗教か」という思い。なんかすごくリアルなんです、エピソードが。病気になって倒れてしまう幼い主人公。身体中に発疹が出て苦しむけれど、両親が知人にお勧めされた「聖なる力が込められた水」みたいなものを身体にかけると嘘のように回復した。


 これはハマっちゃいそうだな、と思いましたね。自分でも。「水が効いたなんて科学的根拠はないっていうのは自分の頭で分かる」という状況であっても、やはりこういう状況で、それも両親の立場で考えると、「この水が我が子を救った」という思考になってしまうのは無理がないというか、すごく自然なことに思える。怖い。とても怖かったです。


 この小説を通して感じたことには、「宗教は悪なんだろうか」ということもありました。作中で、主人公の両親は客観的に見るととても奇妙に映る行動を取るんです。水に濡らしたタオルを頭に乗せて食事をしたり、公園で互いに頭に水を掛け合ったり(水が多いな)。でも当人たちは幸せそうだし、家庭も(主人公の姉を除いては)崩壊したりはしていない。言葉にし尽くせない生理的な嫌悪感を感じるけれど、それが「悪い」とは誰も言えない。それがどうにも気持ち悪い。


 でもやっぱり、親が宗教に没入することで、その子供たちは精神的な被害を受けているところはありました。ひとりになりたい時に、ひとりにしてくれない。自分の気持ちを話しても通じない、聞いてくれない。宗教という世界が出来上がっているせいで、どれだけ訴えても少しも響かない。この息の詰まるような押しつぶされそうな感触は、本当に苦しかったです。


 読み終わったすぐのテンションで書いているのでだいぶ大雑把ですが、ファーストインプレッションはこんな感じでした。まだ全然読み込めてないところもあると思うし、まだ感想を整理できてない。中途半端ですみません。でもここ最近読んだ本の中でも強烈な部類でした。これはまた読み返そうと思います。

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