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世界激走 アメリカ編 1

また、出だしからトラブル。

満を持して、1990年のアメリカ出張のついでに、3週間の休みを取り、アメリカ一周だ。
僕は、8月の後半に、アメリカのオハイオのデイトンに二週間の出張が予定されていて、出張終わりに合わせて、友人のKが日本から来て、デイトンで合流しアメリカを一周する計画だ。
でも、今回も、出だしからトラブル発生。
Kが来る日、一緒に出張に来ている人に、仕事終わりに、デイトン空港まで送ってもらい、Kのことを待つのだが、あいにく、その日は天候が荒れていて、乗る予定の便が遅延を繰り返したあげく、欠航となってしまった。
なんだか、待ち合わせに来ないパターン多いなぁ。
レンタカーのバウチャーは、Kが持っている。
それも、レンタカー会社は、オーストラリアで、大迷惑をかけたエイビスだ。
でも、どうしようも無いので、とりあえず、エイビスのカウンターに行き、拙い英語で交渉を始めた。
実際に便も欠航しているので、何とか伝わり、レンタカーを貸し出してもらうことが出来た。
とにかく必死だった、車が無いと自分がホテルまで戻れないので。
で、次の日、特別に休みをもらい、翌日、デイトンの空港で、待っていると、Kと合流することが出来た。
乗り継ぎのシカゴで、一夜を過ごし、心細かったのだろう、ホッとした顔を押していた。
この日の事だけが原因ではないのだが、僕の現地の仕事は、一週間伸び、デイトンの出発も自動的に1週間遅れた。
やっと出発できた僕たちは、とりあえず、ニューヨークに向かった。
出発が1週間遅れたことで、おそらく、帰りの便の日時にデイトンまで帰ってくることは無理だと判断し、帰りの便をサンフランシスコ出発に変更してもらおうと、思ったのだが、Kのチケットは、格安航空券だ、普通だと変更は不可なのだが、とにかく、ニューヨークで、ノースウエストの事務所を見つけ、チャレンジしてみた。
ニューヨークの大きなノースウエストの事務所に行ったのが功を奏したのか、ことのほかあっさりと変更してもらえた。
良かった、帰国日時の変更は、Kの仕事の関係で、それは無理なので、出発地を変えられただけでも良かった。

エンパイアステートビルだけは、登った。

ニューヨークの街は、思ったよりも汚く、中東系の人が多く、全く落ち着かない町で、目的を果たした後は、長居せずに、先を急いだ、次の目的地は、フォートローダーデールで、そこの港から、バハマ諸島へのクルージング船が出ているので、それに乗るつもりだった。
フォートローダーデールの街に着くと、旅行代理店みたいな店に入り、首尾よくクルーズのチケットを買うことが出来た。
翌日の出発だったので、その日は、モーターホテルにチェックインし、レストランに入った、もう、オーストラリアの貧乏な時とは違う。

血だらけのステーキ

実は、昨日のレストランでもそうだったのだが、メニューがよく分からないので、勘で頼むのだが、Kは、レバーのステーキを頼んでしまったのだが、もともと、Kは、レバーが苦手で、それも、レア焼で頼んでいるので血が滴っているような状態で、レバーが苦手じゃなくても食べれないと思う。
悪いが、2日連続なので笑ってしまった。
で、翌日、港まで行き船に乗り、バハマに向かった。
実は、バハマのことは、何も調べてなく、なんとなく、オーストラリアの島の感じでいたが、ぜんぜん違って、接岸した港は、けっこう立派だが、何もなく、見ていると、迎えの車や、タクシーなどで、街の方に行っているみたいだ、港と観光地がぜんぜん別なのだ。
タクシーに乗れなくはないとは思うが、乗ってどこかに行ってしまったら、ここに戻ってくる自信が無い、やむなく、何にもない港でプラプラしていたが、それでも、さすがに海は綺麗だった。
やがて、時間になり、フォートローダーデールに向け出港した、本当にカリブクルーズのみで、とてもバハマに行ったとは言えないのだが、日本に帰ってから、他の友達には、バハマ行ったんだぜと言っていた。
順調に航海は進み、無事フォートローダーデールの港に着いたのだが、なかなか、下船が始まらない。

迷惑だった僕たち


Kと2人でブーブー文句を言っていたのだが、さっきから何度も船内放送があり、気にもしていなかったのだが、よく聞いてみるとどうやら、僕たち二人の名前が呼ばれているみたいだ。
慌てて係の人のところに行くと、乗船するときに、バハマは、イギリス領なので、パスポートを預けていたのだが、それを取りに行ってなくて、そのせいで、誰も下船することが出来なかったようだ、事情が分かり、急に恥ずかしくなったが、アメリカ人は、その辺はおおらかなのか、実際の事情が分かってないからなのか、特に非難の嵐にさらされることなく、下船して、モーテルに戻った。
次の日は、これも、楽しみにしている、キーウエストに向け出発だ。
ヘミングウェイが愛した、キーウエスト、マイアミの端からキーウエストまでは、セブンマイルブリッジという10キロも続く橋で繋がっている。
しばしばCMなどで使われるところだ。
そこを車で走るのは、ただひたすら、底抜けに気持ちがいい。
キーウエストに着き、気持ちも高揚していたのか、その日は、ベイサイドのちょっとといいホテルに泊まることにした。

キーウエストのホテルでのんびり。

夕食もホテルで取り、Kも今回は、レバーでないものを注文でき、優雅な時間を過ごすことが出来た。
翌日は、フロリダ半島にあるエバーグレーズ国立公園に寄りたかったので、割と早めにキーウエストを出たのだが、エバーグレーズ国立公園に着いたのは、夕方だった。そして、湿地帯だけあって、車を降りるや否や、蚊の大群に襲われた、僕はオーストラリア以来、蚊には、憎しみを持っている。
エバーグレーズ国立公園といえば有名だが、雑然と草木がぼうぼうと生えている、ただの湿地帯だ、蚊にイライラしながら、猛ダッシュでここから離れようと、車を飛ばした。

なんでそこに

すると、少し先にタイヤがバーストした破片のようなものが道に落ちているのが見えた。気にせず、アクセルも緩めずそのまま進み、直前まで来ると、それが、けっこうな大きさのワニであることが分かった。
でも、もはや回避できないので、豪快にバンバンとひいてしまった。でも、ワニはけっこう平たいので、車のダメージは、全くなかったのだが、、バックミラーを見ると、ひかれたワニがバタバタと二転三転しているのが見えた。
まずいのは、ここが国立公園内で、ワニは保護動物ということだ、周りを見回し、保護観察官がいないことを確かめ、さらに速度を上げ、エバーグレーズ国立公園から立ち去った。
まさか、ワニが道にいるなんて、思いもしない、不可抗力だったと自分に言い聞かせた。
そのまま逃げるようにエバーグレーズ国立公園を立ち去り、次の日は、オーランドにある、ディズニー・ワールドで1日遊んだ、これで、東京、カリフォルニア、オーランドと三大ディズニーランドを制覇した。


ディズニーワールド

しかし、Kが帰る日程が決まっているため、そんなりゆっくりもできず、

ガソリンが

その日のうちに移動し、先を急いだのだが、夜走っている最中にガソリンが、乏しくなった。
オーストラリアほどではないものの、アメリカの南部は、それなりに荒涼としていて、ポコポコ、町やガソリンスタンドが、日本のようにあるわけじゃない。
時間は深夜0時を回るぐらいで、営業が終わっている、ガソリンスタンドに、車を停め、ガソリンスタンドが開くまで、そこで待つことにした。
次のガソリンスタンドがどのぐらい先にあるか分からない以上、ここで待つのがベストだと考えた。
こんな何もないとこで、ガス欠という事態だけは避けたかった。
まさか、アメリカでも車中泊するとは思わなかった。
アメリカでの車中泊は、これが、最初で最後のつもりだったが。

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