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WD#88 北海道より、極秘文書

はい、こんにちはー。

えー、今自分がどこにいるのかと申しますと、めちゃくちゃ北海道にいます。

そうっすね。修学旅行です。

じゃあなぜ、タイトルが「極秘文書」となっているのか、ここに1番のポイントがある。



この修学旅行、基本スマホ使っちゃダメなんだってさ!!



だから、私が現地でこうして日記を書いている時点でこれは違法行為となっている。つまりみなさんには今から私の違法行為の結晶を見ていただくことになる。

もちろん私はルールとかあんまり破ろうとは思わないのだが、修学旅行のルール如きに私の88週間連続で続いてる習慣を壊されたくはない。第一こっそり日記書いても教育上何の問題もないわけで、責め立てられる筋合いなどひとつもない。

ちなみにこのパートを書いているのは出発前なので、先にイントロダクションだけ書いておいて現地で書きやすくする作戦だ。

この日記が公開されている(はず)の日曜夜は修学旅行4日中3日目の夜。そのため、ここでは初日から3日目までの様子をざっくりとお伝えできればいいかなと考えている。

なお、シアトルのとき「あまりにも長い」という指摘があったので、今回はなるべく端的に、5000字くらいに収めるのを目指したい。それではここからは現地の自分がお届けします。以上、出発前の自分でした。



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飛行機で出発したが、流石にシアトルで4回乗ったので慣れた。多分初めてっぽい人たちが飛行機で「キャー」って言っててめちゃくちゃ普通に注意されてた。気持ちはわかるけどその辺りのマナーを忘れない人間でありたい。

飛行機の中では単語帳とか見てる人もいたけど、なんとなくそういうには手をつけたくなかったので両サイドの2人と「否が応でも絵しりとりをし続けよう」と言って誘い、結局新千歳空港までの約2時間、ただひたすらに絵しりとりをし続ける機械になった。しかし、最初の人が北海道から“梅おにぎり”を書いてきやがって、流石にリスタートを切らざるを得なかった。そんなスタートが許されるわけないだろ(その後私が“うに”からスタートさせた)

新千歳空港に到着した後各自昼食を取れと言われ、色々行列店もあったけど空いてるのが良かったからその辺のロイヤルホストに行き、北海道ご当地メニューを食べて普通に満足した。




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1日目はスノーランドという雪のレジャーがたくさんある施設に行った。これは選択制で他にも洞爺湖観光とかがあったがここは無難にレジャーがしたいと思い選び、なんとか抽選も掻い潜って行くことができた。

現地までバスで行くとそこはもう自分たちの生活では一生お目にかかれない銀世界で、バギーやらスノーモービルやらが点在していた。そしてそこから3時間ほど、遊びまくり。めちゃくちゃ楽しかったな。

1番印象的だったのはなんと言ってもゴムボートをスノーモービルに引っ張られるやつ。初めて体験したとき、サングラスをかけた人がスノーモービルを運転してて、いざ出発したかと思うと、こちらの方をニヤニヤしながらチラチラ見てきて、かと思えば急にカーブすることでゴムボートが「グャィン!!」と曲がり振り落とされそうになる。そんなことを1分30秒くらい続けられた。

後半はもう、ただただ運転手の人の「悪意」しか感じられなくて、私たちを殺しにかかっているようにしか見えなかった。チラチラ見て、ブンブンアクセルをふかして、ニヤニヤする。体感したことのない速度で走るゴムボートからそんなドライバーの姿を見ていて、なんとなく「こんなに楽しそうに仕事できるっていいなあ」と思った。「よしよし、今回は修学旅行生だな、飛ばせるぞ〜」って思ってるんだろうな。そういうマインドで、楽しんでできる仕事に就きたいものだ。

その後別のドライバーに当たったが結構手加減されて、通称“悪意ニキ”の運転が恋しくなったが、全3回乗れるうちラスト1回もあんまり悪意のない人(それでも悪意は少しあったので“半悪意ニキ”と呼ばれるそれ)に当たった。そのため、「全力でお願いします!」と頼んだところ悪意ニキ以上の悪意を見せつけられた。通ったことない道を通ってめちゃくちゃ揺らしてきたり、必要以上に回ったり。スノーモービルライダーはみんなたのしそうだった。それが何より印象的だった。

帰りのバスでは鹿を10体くらい見つけて、まだいるかな〜と覗いていたらいつの間にか寝てしまい気づけばホテルに到着したのだった。




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部屋にはガチのベッド3台とソファを改造したエキストラベッド1台の計4台のベッドとテレビだけで構成されたような部屋。まあでも広さ的にはちょうどいいくらい。

ご飯はバイキング形式。かなり豪華だったな。あとホテル内にでかい動物のロボットがいて、そいつらが無機質に楽器を演奏していて怖かった。夜になったら徘徊してるやつだ。ffafみたいなやつだ。絶対。怖い(バイキング会場にもリアルな動物と人間の人形があった。なんでそんなことをする?)。

風呂は部屋にもあるし大浴場を使ってもいいことになっていた。最初私は大浴場に行く気はなかったのだが、なんとなくみんな行く感じだったのでじゃあ行こうか、という程度の気持ちで行って実際良かった。お湯が熱すぎる。41.5℃あったらしい。

まあそのあとは部屋でダラダラしたりしながら、テレビで同じ部屋の人が葬送のフリーレンを観てる間に寝落ちして1日が終わった。





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2日目はスキー。人生初のスキー。そもそもウィンタースポーツと縁がないのでスキーをやったことがないのも当然なのである。

スポーツはクオリアの嵐だと思う。クオリアっていうのはまあ経験した感覚みたいな意味で、初見のスポーツをするときは、インストラクターのクオリアをなるべくこちらで噛み砕いていく必要がある。どうしても経験者のアドバイスは経験に寄ってしまうものだ。それが私がスポーツが嫌いな理由でもある。そんなに感覚に頼られても困る。“こうしたらできる”という攻略本が存在していない恐怖がスポーツには確かにある。

そのため私はスキーを恐れていたのだが、実際に教えてもらった通りになんとなくやってみるとかなり要領が良く、すごい早い段階で滑ったり止まったりができるようになった。

そこで、私はインストラクターの方々は別にクオリアで喋ってるわけではなく、ちゃんと初心者心理に寄り添ってやってくれてるんだなあ、となんとなく気づいた。怖いとか言ってごめんなさい。

慣れるとスキーが“スポーツ”から“移動手段”になる瞬間が来る。これが楽しい。インストラクターがスキーでスーッとゲレンデも進むのにしっかりついていけるようになり、初めて「今スキーと仲良く出来てる!」と感じた。スピードの調節も思いの外簡単で、のび太がとことん下手な理由が尚更わからなくなるだけだった。

2日目の日中は大半がスキーだったので、特にこれ以上スキーについて特筆すべき内容はない。しかも3日目もスキーだし。そのため、2日目のスキーの話はこれくらいにして、2日目の夜の話にジャンプしようと思う。



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2日目の夜、クラスごとのレクがあり、我々のクラスはこの日にレクをすることになった。思考の結果、我々は新喜劇をゼロから作るというプロジェクト「シン・新喜劇」(庵野秀明?)を立ち上げ、私はその脚本制作の1人となった。練習の後半はなんとなく総監督みたいな立場になり、本番に至っては音響を担当するという働きっぷり。あんまり言うものではないけどかなり頑張ったと自負している。

そしてその努力と並々ならぬ思い入れがあったため、披露する直前の夕食はさほど喉を通らず、覚えているのはジンギスカンがそんなに自分にハマらなかったことくらいだった。頭の中は新喜劇一色(この時点で、通しで音響が成功したことが一度もなかったのがさらに私の緊張をエスカレートさせる)。

そんな中迎えたレク本番。この日は4クラスやって、我々はそのトリ。我々の前の3クラスが全員先生イジリで生徒の笑いをかっさらう中、自分たちが先生イジリじゃなくてよかったと胸を撫で下ろす(別に先生イジリが悪いと言っているわけではないが3連続は種類が違えどやりすぎだろとは思ったのが正直なところ)。

そしていよいよ我々の番。音響を操作するゾーンは舞台から離れているので、ただ1人孤独な空間でただひたすらカフとタブレットを睨むことしかできなかった。

最初は新喜劇のジングルから始まる。パワーポイントを立ち上げていざ開始…

音、小さすぎます。

音は確かに聞こえるが、極めて小さい。そこから私はただ1人音響のスペースでどうやったら音が大きくなるかの試行錯誤。その後音割れを覚悟しながらカフを上げ下げすることで音量問題は後半はなんとかなった。ただ前半は音が全然聞こえなかったので、そこはただただ演者の方々に申し訳なかった。

そして肝心な問題がもうひとつ。

あんまりウケない。

さっきまでの盛り上がりはどこへやら、たくさん作ったボケが次々に観客の薄ら笑いへと溶けていき、3〜4個ウケるところはあってもさっきまでの先生イジリほどの笑いには到底達しない。絶対ウケると机の上で考えていたことは、舞台の上になった今、なんの効果も発さず、ただただ会話が進んでいくだけの劇になってしまった。何がシン・新喜劇だ。庵野秀明ならもっとやれるだろ。

(以下、しばらく新喜劇の感想が続きますが、なんとなく嫌な方は以下の目次からスキップしてください。)




今まで生きてきて、ここまで努力したことが実らなかったことは多分あまりなかったと思う。ましてや今回はそれが「自分が面白いと思うこと」だったからより一層そのダメージは大きい。

自分が面白いと思うことが、なんとなくみんな面白いと思っていた。今までインスタとかでやってきたことも、日記で書いていることも、「自分はこれが面白い。だから、みんなもこれで面白いと思ってくれるはずだろう。」という極めて一方通行な思い込みを、無意識のうちにしていたのかもしれない。

「今回あんまりウケなかったのはボケのレベルが高かったからだよ。客が悪い」というような励ましも受けたが、それは違うと思う。脚本を作る以上、それを見てくれる人を突き放すのなんて言語道断。せっかく見てくれる人を楽しませられないでどうするんだ。そんな考え方のやつが脚本を担っていいものなのか。

「でも自分たちだけ先生イジリしなかったからそれがまあ誇れるところじゃない?」という意見も聞く。確かに他のクラスはほぼ全て先生イジリをやっていた。でも厳しいことを言うようだが、ここで「先生イジリをしてなかった」ことを武器にするのはウケなかったことに対する哀れな言い訳に過ぎない。ここで先生イジリをしていたクラスをとやかく言うのは全くのお門違いで、自分たちの失敗を少しでも正当化するために周りを巻き込むのは迷惑だというのがこの意見な対する正直な感想である。

今回ウケなかったのは、もちろん脚本があんまり良くないのと、舞台でリハーサルができなかったことが大きい。しかし、その理由の根底には、「自分たちがGSである」というお客さんの意識が、少なからずあると思うんだ。

いつからか(多分1年生中頃くらい)、うちの学校のGS以外のクラス、普通科はGSをなんとなく敵対視している気がする。球技大会でもGSと普通科の試合になったらみんな普通科を応援するし、クラス対抗クイズ対決でGSが1位になったら歓声なんて上がらない。時間が経つにつれ、こうした学科の溝は深くなる一方なのだ。

その溝が、今回の劇でも威力を発揮した。お客さんは、それが面白いか面白くないかという問題の以前に、「GS」というパッケージである時点で「嫌い」→「面白くない」という思考ルートが発生している気がする(端的な表現だが、いくつかのステップを踏んでこうなっていることは確かである)。

そうなってくると、私たちがどれだけ頭を捻って脚本を作っても全く意味がない。ここ1〜2ヶ月の自分たちの努力(もちろん演じてくれた人たちの努力も)は、今回そんなバイアスの前に儚く散ったのだ。

だからこそ、私は今回演じてくれた人、小道具を作ったり持ってくれたりした人に本当に申し訳なく思う。音響をミスってごめん、そして脚本が上手いこといってなくてごめん、と。

でも私は諦めていない。次は3年の文化祭の劇。作戦はあるので、確実にリベンジする。待ってろよ普通科!!!!!!!!!!!!!



スキップ先


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3日目も基本は2日目と同じスキー。しかし一晩寝ると頭が整理されるというのは本当らしく、いきなり下山(リフトで山の中腹まで行って、そのリフト乗り場まで戻ってくることを私は下山と言っている)でき、結局この日はこの下山を6回くらい繰り返して終わった。「もっと他のコースやりたかった」とか「もっとスピード出したかった」などという文句を言う人もいたが、個人的にはその間にカーブとかブレーキがどんどん上達したので満足。いい経験をさせてもらった。

お別れの時にインストラクターのリーダーの方が「スキーは一度やったら忘れない」と言ってて、そんな自転車みたいなノリなのか不思議に思ったが、多分本当なのでまたいつかゲレンデでカッコよくスススと滑れる大人になりたい。




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ホテルの夜ご飯は3日目がラスト。だからかなのかはわからないが、明日厨房が爆発するのかと思うくらいメニューが張り切っていて、カニもあったし、ステーキもあったし、いくらもあった。さらにそんな時に限って制限時間が30分くらいしかなくて、設けられた時間を最大限に使ってカニと格闘した。後半はかなり上手く食べれるようになってきて、「カニってやっぱりこうだよな!」と楽しい気分になった。




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レクは3日目もある。字数が多くなってきたので詳しく書かないが、今回はみんなウケててよかった。みんなめちゃくちゃ面白くて私もずっと笑っていたけど、その度に「やっぱりこうあるべきだったよなあ…」という後悔の念に押し寄せられていた。

さらにクラスメイト何人かから他のクラスの新喜劇への酷評を耳に挟み余計に凹むのだった。

人間ってのは単純な生き物だよな。褒められて喜び、貶されて悲しむ。そんな単純な感情の切り替えだけで老いて、死んでいくんだろう。

いつまでも劇を根に持っててもめんどくさいと思われて変に気を遣われるので、流石にこれくらいにしとこう。こんなに長ったらしく引きずってごめんなさい。日記らしくないよな。気をつけます。




こうして3日目が幕を閉じ、今に至る。よかった。ギリギリ日曜日に出せたよ。文句が多いので「楽しくなかったのか?」と思われそうだが、スキーとか、友達との生活とかめちゃくちゃ楽しかった。それは勘違いしないでいただきたい。

最終日、そしてその後のことは、また来週にここに記すことにしよう。

以上、北海道からお送りしました。




【今週の来てないお悩み相談】

猫を飼いたいです。何かアドバイス下さい

猫を飼える家か確認すべきだと思います。

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