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2023年度私学助成金の減額や不交付について

今回は私学助成金の減額や不交付についてお話ししていこうと思います。以前の記事でも少しお話しした私学助成金がどのような要因で減額や不交付が決まるのか見ていきましょう。



①「私学助成金」とは

まず、「私学助成金」とは何か、お話ししていきましょう。
といっても以前の私の記事でもお話ししているので、そちらをご覧ください。

もうすごく平たく言うと、「私立大学でも諸条件のもと文科省管轄の法人から補助金を頂いている」そんな感じです。


②減額や不交付の決定

先日このようなネットニュースの記事が出ました。


学生数や研究内容、教職員数などによって支給額が決まる私学助成金。しかし、色々やらかして大学としてどうなの?といった事があるとこうした助成金が減額または不交付になります。
それでは、どんなことをやらかしたら助成金がもらえなくなるのでしょうか?

③不交付の具体例

実際の私学事業団からの内訳には「管理運営不適切」という理由で減額や不交付がされているのですが、それは一体どういうことなのか。まずは不交付の例を見ていきましょう。

③-1 日本大学

まずは「日本大学」、まあ言わずもがなですよね。あれだけ世間で騒がれる大学も駅伝で優勝するくらいじゃないとなかなか大学はニュースになりませんよ。元々理事長の問題が発端となり、昨年はアメリカンフットボール部の薬物問題から学内組織のゴタゴタと、大学業界の話題を一気に掻っ攫っていきました。とまあ日本大学はこれで3年連続の不交付が決まりました。

③-2 東京福祉大学

次に「東京福祉大学」、法人名は「茶屋四郎次郎記念学園」。こちらも実は前年度に引き続きなんと5年連続で私学助成金が不交付となりました。大学業界の人なら割と知っているかと思います。ここも管理運営不適切ということなのですが、じゃあ一体なにが不適切なのか。
それは、こちらも理事長に関する話なんですが、あんまり詳しく書くと怖いのでもっと知りたい方はご自身でお調べください。すぐ出てきます。まあ、運営上の改善が求められていたにもかかわらず体制が変わっていない、ということです。

③-3 山野美容芸術短期大学

お次は「山野美容芸術短期大学」、法人名は「山野学苑」。こちらは専門学校の方が有名かもしれません。こちらも管理運営不適切ということで、数年連続で不交付となっています。管理体制が指摘されているにも関わらず改善されていない、きっとそういうことなんでしょう。

④減額の具体例

次は減額の具体例を見ていきます。こちらは2023年度7法人8校に減額措置を行ったのですが、その一部を紹介します。

④-1「福井工業大学」

減額の例としてまずは「福井工業大学」、法人名は「金井学園」。減額率は75%。こちらの学校法人は、新学部設置の際の書類を偽装したということで新学部設置を2025年度から4年間認めない、とされたと共に私学助成金も減額となりました。

④-2「工学院大学」

続いては「工学院大学」。減額率は50%。こちらは理事と評議会のごたごたの中、新たな監事を選任できないまま監事の定数を満たせていない状態が続いており、こうした運営体制に問題があるとして減額したようです。

④-3「桜美林大学」

最後に「桜美林大学」、法人名は「桜美林学園」。減額率は25%。こちらの大学の問題は週刊誌などにも掲載されたことがあるので、事情を知っている方もいるのではないでしょうか。
一度は交付を留保、という形でどうなるか分からなかった状態でしたが、今回25%の減額ということになりました。こちらの学校法人は、私立学校法に違反した状態で役員に報酬を支給していたと学内の専門家委員会から指摘され、運営に問題があるとして減額となりました。詳しくはネットで調べて見てください。


まとめ・おわりに

いかがでしょうか?
今回は2023年度の私学助成金の不交付や減額を見てきました。
学生や研究のためにも学校運営は健全に行わないと、こうして様々な形で悪い印象を与えてしまいます。
各大学苦しいのは分かりますが、知の集合体としてある大学組織です。ぜひとも知恵を絞って学生のため、研究のため、社会や地域のために尽くしてほしいものです。

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