見出し画像

「この書類は必要?」と思いながら

県の教育機関に勤めていたとき、よく分からない書類をたびたび作成していました。一般県民や教員を対象とした様々な講座を提供する機関で、私は講師として勤務していました。事務方からは業務内容についての書類を作成するようよく頼まれました。その中に議会対策用と言われるものがありました。県議会で質問が出たとき担当者がすぐに答えられるよう準備しておくものらしいです。質問が出なければ必要ないものとしてそのまま廃棄されるようです。いわゆる「説明責任」のためでしょう。「県民への説明責任」ということばがしきりに言われていましたから。ただ、こうした書類の作成にはかなりの時間がかかり、本来の業務に支障が出ることも少なくなかったです。

公立学校に勤めていたときも学校長から目的のはっきりしない書類の作成を頼まれることがありました。聞くと「教育委員会から頼まれた」とか「議員からの問い合わせがあったときのため」などと返答されます。本来は学校長など管理職が作成するものだと思うのでその旨を伝えると、「担当のアンタの方がよく分かっているから」とか言われてしまいます。「だいたいでいいから」などと言われることもあり、その程度の書類なら作らなくてもいいのにと思いながらしぶしぶ作成した記憶があります。生徒と接する時間を削って作成することもあり、疑問に感じていました。

教師の多忙化を招いているもののひとつに報告書の作成やアンケートへの回答など事務処理の多さが挙げられます。もちろん書類作成が必要なことはありますが、少なくてとも目的のはっきりしない、形式だけの書類は極力なくす努力が必要ではないかと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?