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カトリーヌ先生の独創的な教材・教具

公立小学校で教えるベテラン教師カトリーヌ先生の授業はとてもユニークです。教材や教具にも工夫が凝らされています。学習支援の責任者でもあり、授業についていけない子どもために個別の学習計画を立て、担任と連携して指導しています。

私が彼女と知り合ったのは大学院生時代に参加した研修ツアーで彼女が勤務する学校を訪れたときです。20年以上前です。校内を見学し、いくつか授業を参観したあと、職員室に戻ってコーヒーを入れようとしたときに「ハーイ!」と言って笑顔で声をかけてきたのが彼女です。私たちはすぐに打ち解けておしゃべりを始めました。それ以来オーストラリアに調査に行くたびに彼女の家に泊めてもらい、彼女の学校を訪問しています。付き合いはその後ずっと続いており、今では家族のような関係です。

彼女が授業で使う教材や教具は多くが手作りです。大学で工芸技術を学んだ彼女は教材や教具を自分でたくさん作っています。どれもクリエイティブです。ここではそんな彼女の教材・教具をいくつか紹介したいと思います。

学びを考えるためのパネル↓

日本の「道徳」に相当する授業を担当する先生は葛藤処理や自尊感情、対人関係、いじめなどをテーマにした授業を専科として全クラスで行っています。そこでは先生オリジナルの教材や教具がたくさん使われています。

生徒が使うノートはすべて先生が表紙に名前を書いています。先生がそれぞれの生徒につけたニックネームです。ファーストネームにその子の良い点(Honest、Fair minded 、Outstanding、 Fabulousなど)を加えたもので、ノートを配るたびに"Honest Owen! "などとニックネームで呼びかけています。それがその子の自尊感情につながるのだと先生は言います。

いじめを扱う授業で使用される教材も見せてもらいました。。

いじめを受けたときの対処法を学ぶ教材

いじめかいじめでないかを考えさせる問い↓

指人形やぬいぐるみもよく使います。

人形もたくさん手作りしています。人形にも多民族社会が反映されています↓

スカートを裏返すと白いドレスになります。表情も変わります。

市販されているものも児童に合わせて自分で改変することが多いです。下はよく使われるゲーム Snakes and Laddersの改変版です。

カトリーヌ先生の教室。教材・教具がたくさん置かれています。

絵本はよく使います。子どもの心に響く温かい感じの作品が多いです。

生徒が描いた絵を絵本にして使うこともあります。

先生自身もオリジナル絵本をたくさん制作しています。行政の補助金を得てこれまで何冊も出版しています。

"Ruby and Joe"
"Ruby and Joe"
"Ruby and Joe"

授業もたびたび見学させてもらいましたが、カトリーヌ先生から学ぶことはたくさんありました。

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