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学会の懇親会は人脈を広げるチャンスだけど...

学会はその分野の研究者に出会うチャンスです。私自身も学会で多くの人と知り合いになり、その後の研究に役立つ情報をたくさん入手してきました。特に懇親会はインフォーマルな雰囲気の中で人脈を広げる絶好のチャンスです。でも…

ある学会の懇親会で若手の研究者と話をしていたときのことです。彼はなぜか落ち着かない様子でした。周りをきょろきょろ見回し誰かをさがしているように見えます。やがて私が話している途中で「あっ、ちょっと失礼します」と言ってその場を離れました。そして離れた場所に移動しました。そこには学会の「重鎮」を囲んで歓談するグループがありました。彼はグループの一人に声をかけ、そのまま話の輪に加わりました。

些細なことでしたがなぜか私の心にはモヤモヤしたものが残りました。彼は私との話を途中で打ち切って別のグループに移動しました。もしかしたらそのグループにいる誰かを探していたのかもしれません。きょろきょろしていたのはそためだったのかもしれません。でも私が話している途中で立ち去るのはどうかと思いました。話が一区切りついてからでも遅くはないでしょう。おそらく彼は「重鎮」のグループに行きたかったのだと思います。意地悪な見方かもしれませんが、私と話しているよりそのグループに加わった方が有利だと考えたのだと思います。

研究者にとって人脈を広げることは大切ですし、懇親会はそのための絶好の場です。でも自分より高い立場にある人に近づこう、自分の名前を覚えてもらおう、他人の権威を利用してチャンスをつかもうという打算的な人脈づくりをする人を目にすると私は複雑な気持ちになります。成果を上げるためにはそれくらいの貪欲さも必要だと言う人もいますが、あまり露骨だと私にはちょっと哀れに思えてしまいます。

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