Giulio Cacciniはバロック音楽初期のかなり昔の作曲家です。
世界三大Ave Mariaの一つとして有名なこの曲ですが、なんとCacciniが作った曲ではないという説が最も有力です。
実際に作曲したとされているのは、1970年頃のソ連の音楽家のVladimir Vavilovです。
彼は、世界的ヴァイオリニストのFritz Kreislerが使ったように、古い時代の未発表の楽譜を発掘したという設定で、この曲をCacciniが作った曲ということにしたのです。
自分が作った曲だけど他の作曲家の名前を借りることによって注目を集めるという手法です。
名前を借りたCacciniがあまり有名な作曲家ではなかったために、Caccini作だということが信じられてしまい、Cacciniの曲として現代まで親しまれてきてしまったのです。
現在では、様々な根拠からVavilovが作曲したという説が最も有力になっている状況です。Vavilovは1973年に亡くなるまで真相を明かすことはありませんでした。
そんなこの曲ですが、偽作であろうが偽作でなかろうが、世界中で多くの人々に愛されているということに変わりはなく、紛れもなく世界的な名曲です。

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