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声が大きすぎるクラスへの語り

何度も震えるApple Watch!

ブルブル、ブルブル

何度も震えるApple Watch

耳を押さえる子

Apple Watchを確認するとこんな表示が

これは大変。耳がどうにかなってしまう。


こんにちは、教務主任をしながら外国語活動と図工の専科をしているリッケンです。

これは、4年生の前向きで元気なクラスで外国語活動でチャンツをしているときのことです。

外国語活動では、繰り返し発音することがとても大切です。みんなが大きな声で発音していれば、少々苦手な子もそれに混ざって自分の声を目立たせずに溶け込めるので、参加のハードルが下がります。

ですが、限度というものはありますよね。耳を抑えなければ耐えられない声の大きさというのは考えものです。周りの人のことを考えた、気持ちのよい声の大きさについて考えさせるよい機会だと感じました。

そこで、次のような語りを行いました。

ちょうどいい声の大きさについての語り

Apple Watchが!

T:みんな!大変だ!
Apple Watchがずっとブルブルしてる!

S:どうしたの?

T:さっき、発音してたときに、耳を押さえてた子いたでしょう?
声が大きすぎてうるさかったんだよね?Apple Watchもうるさすぎるって言ってるよ。ちょっと警告を読んでみるね。

〈 音の大きな環境 〉
音量が95デシベルです。このレベルの音に10分でもさらされると聴覚が一時的に失われるおそれがあります。繰り返し長期間さらされると、回復不可能な損傷につながる恐れがあります。聴覚保護装置の使用、または静かなエリアへの移動を検討してください。」

T:だって。これはまずいね。

相手はどう感じている?


T:みんな、大きい声を出すことっていいことだって思っているでしょう?

S:うんうん。

T:でもそうじゃないんだよね。ちょうどいい大きさってあるの。例えば、朝のあいさつのとき、こんな風にされたらどう?
おはようございます!!!!!!!!(全力のボリュームで)

S:うるさいよ〜

T:そうでしょう。声が大きいことが素晴らしいあいさつなら、どんどん大きな声になってしまう。でも、それだとおはよう気持ちが相手にうまく伝わらないよね。やっぱりちょうどいい大きさってあるよなぁと先生は思います。

声のものさし

T:みんな『声のものさし』って知ってる?

S:知ってる知ってる!

T:1年生の頃とか、教室に貼ってあったでしょう?
あれって、静かに、隣の人に、グループで、クラスの人に、遠くの人になど、時と場所と場面に応じてちょうどいい大きさの声を学ぶためのものなんだよね。

※これはネコ先生が作られた声の大きさ表です。


君たちはできる!

T:このクラスに、『声のものさし』って貼ってある?
S:ないよ〜
T:ということはどういうことか分かる?小学4年生の君たちなら、『声のものさし』なんて貼っていなくても、自分たちで考えてできるってことだよね。できそう?
S:できるできる〜!
T:よし、じゃあやってみよう。Apple Watchが震えず、周りの人が耳を押さえたくならない、ちょうどいい大きさで行ってみよう!

もう一度チャンツをやる


まるで小学四年生みたいじゃないか!

S:先生どうだった、Apple Watch?

T:何と!Apple Watchが、・・・震え、・・・ませんでしたー!

S:イェーイ(パチパチパチ)

T:うるさくて耳を押さえたくなった人?
おお、いないんだね。先生も聞いていて、ちょうどいいなぁと思いました。一回でできるようになっちゃうなんて、みんなまるで小学四年生みたいじゃないか!

S:当たり前だよ〜😄😄😄

当たり前のことを言ってほめる」これ、私がよく使うユーモアを使ったほめ方です。子どもたちは、ズコ〜ッとなって、喜んでくれます。


自尊心をくすぐりながら

低学年の子どもたちには、声のものさしを掲示していねいに指導していくことが有効です。もちろん、中学年、高学年になっても声のものさしの基準が持てていないならば、掲示をしてていねいに指導していくことが必要です。

ですが、もうその基準自体を知っているならば、このように子どもたちの自尊心をくすぐりながら指導するのも有効な方法です。

専科の立場でもあり、クラスの掲示物に関わることに制限があり、日常的・継続的に指導に関わることができないため、今回のような語りとなりました。専科となり5年、担任の仕事ができないのは残念ですが、様々な学級文化や性格を持ったクラスに入ることで、担任をしていた時よりも、指導の深さ、突っ込むか目をつぶるかの咄嗟の判断、即興力を求められる場面が多く、鍛えられるなぁと感じています。

また、担任に戻ることがあったら前より子どもたちとよい関わりができそうです。


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