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授業に参加しないあの子には選択肢を

ようやく年末、冬休みですね。ほっと一息です。
年末は、大掃除、私の実家、妻の実家へ。きっとあっという間に過ぎていくことでしょう。もうちょっとお休みが欲しいと思っているリッケンです。

教務主任という立場もあり、さまざまなクラスに入っています。

その中で、中々みんなと同じペースで授業への参加ができず、遅れていってしまったり、場合によっては離席、教室外へ飛び出してしまう子もいます。

原因はさまざまです。

・説明の時に話を聞いていなくて、何をしたらよいか分からない(見通し)
・口頭による説明で何をしたらよいか分からない(見通し)
・説明は黒板に書いてあるが、読むのが面倒で何をしたらよいか分からない(見通し)
・説明を受けた時すぐにやりたかったのに、みんなと一緒にやるから待ちなさいと言われてやる気がなくなった(授業テンポ)
・何のためにその活動をするのか分かっていない(目的)
・そもそもその活動が嫌いだったり面倒でやりたくない(好き嫌い)
・ぼんやりしていて、今も自分の世界にいる(集中力)
・初めての活動で失敗が怖い(恐れ)


ざっと考えてみると、こんな理由を思いつきました。まだまだ他にもあるかもしれません。一番良い方法は担任による授業改善ですが、私の立場上それをすることは叶いません。そこで、今回は、担任外でできる範囲でのサポートについて考えていきます。(もちろん、担任の先生方が行っても有効です。)


1 見通しがもてているか確認する

まず見通しがもてているか確認します。どんな手順で何をするのかが分かっていなければ、やる気が出ません。これは大人でも一緒です。

例えば、教務主任から「アンケートお願いします」とだけ言われたらどうでしょうか?

え?なんのアンケート?どこにあるの?紙?フォーム?いつまでに?と戸惑うのではないでしょうか。

①ICT機器の使用についてのアンケートにお答えください。
②職員クラスルームのフォームリンクから
③来週の水曜日まで

これだけの情報が分かっていれば見通しが持てます。

授業にみんなと同じペースで参加できない子は多くの場合気が散りやすく、先生が丁寧に説明をしていても、その情報をキャッチできていないことが多いです。そのため、まずは何をすればよいのか一緒に確認します。こんな感じです。

T:太郎くん、今何をする時間かわかる?
太郎:(キョロキョロ)わかんない
T:そっかー、黒板見てみようか。〇〇先生が書いてくれているよ。
  ①漢字ドリルp15①〜⑩をノートに
  ②先生に見せる
  ③直し
  ④新聞づくり続き
  O K?質問ある?
太郎:大丈夫だよ〜
T:よし。困ったらまた言ってね〜

見て分かる子もいますが、なかなか頭に入らない子もいますので、そんな時は、「先生と一緒に読もうか。せ〜の!」と言って、一緒に読みます。声に出すと、多くの子が理解できます。


2 選択肢を示す


理解しても、やらない子がいます。そもそも、その活動が好きではない、めんどくさい、失敗したくない、そんな理由が考えられます。

そんなとき、私は、参加度合いを変えた選択肢を示すことにしています。

文字を書く活動

・とりあえず1問だけやってみる?
・先生が1文字目だけ書いてもいい?
・先生が薄く書くから、なぞれそう?
・全部書かなくていいよ。
・黒板の中で一番大事そうなところはどこだと思う?すごい!ちゃんとまとめだって分かったんだね。まとめだけ書ける?

算数の問題

・取り敢えずプリントの名前だけ書く?
・どんな式になりそう?なるほど、今答えてくれたのを先生が薄く書いてもいい?
・1問だけ解くとしたらどれ?
・できそうな問題3つに○をつけて見て。
・10問あるけど、何問できそう?

こんな風に選択肢を示しながら問いかけをすると、大抵どれかを選択し、活動し始めます。取り敢えず、自分で選択し、始めるということが大切です。

実は「やる気スイッチ」は「やる気が出たときに入る」のではなく、「まず行動してみる」ことでONになると言われています。行動が先というわけです。

大掃除でめんどくさいなと思っていても、机の上を片付け始めると次は引き出しの中、本棚と自然に片付け始めてしまうという体験は誰しもがあるのではないでしょうか。

今回の場合、教師からの押し付けではなく、本人が最終的に行動を選択しています。ここが大切です。選択すると、その選択にこだわりが生まれます。自分で選択したというこだわりが行動を加速します。

というわけで、大抵1つ動き始めると2つ目3つ目と行動を続けることができます。


3 チャレンジ・バイ・チョイス

それでも、時に参加できないこともあります。そんな時は、「その場にいて見て学ぶ」という学び方も認めます。

プロジェクトアドベンチャー(PA)の大切な考え方の一つに、チャレンジ・バイ・チョイスがあります。「参加者自らが課題に対して挑戦する度合いや方法を自らが選択する」という考え方です。私は、PAの考え方に則り、見て学ぶという参加の仕方を認めています。

教室外へ飛び出したり、他の子どもたちの邪魔をすることは、参加することには当たらないという説明も合わせて行います。

見て学ぶ中で、参加できそうなら参加を促します。

見て学ぶだけで終わった時は、「やり方は分かったかな?次は一緒にできるといいね」と前向きに声をかけて終えます。


まとめ

1 見通しがもてているか確認する
2 選択肢を示す
3 チャレンジ・バイ・チョイス

以上の3点を行いながら、少しでも前向きに参加ができるようにサポートしていきます。これは、担任外の先生でもできるサポートですが、担任の先生方が行っても有効です。ぜひお試しください。

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