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〇〇ちゃんが私の悪口言ってる!の対処法

お久しぶりです。小学校の教務主任のリッケンです。

3月、4月は教務主任にとっては一番忙しい時期。1ヶ月ぶりの記事の更新になります。

担任の先生方は、学級開きから1月ほど経ち、少しずつクラスの土台が出来上がり、子どもたちとの関係も少しずつ馴染んでくる頃。

子どもたちは当初の緊張感が薄れ、素の部分が出始める頃です。新しいクラスでの新たな友達もでき、6月にかけて仲のよい友達の引っ張り合いのようなことも起き始めます。

仲よし女子3人組は特に要注意です。そんな関係の中でよく起こるトラブルは、教室内での内緒話トラブルです。

S:先生!〇〇ちゃんが私の悪口言ってる!
T:なんて言ってたの?
S:なんて言ってるかわからないけど、なんかこっち見てしゃべってる。絶対私の悪口言ってると思う
T:ああ、聞いたわけじゃないんだね・・・。

放っておくと、こんなことが日常茶飯事になります。

今日は、教室の内緒話撃退!思わず笑っちゃう、とっておきのワークショップについて書いていきます。


いつ指導する?

指導は、事前に行っても、起きてから行ってもよいです。ですが、できることなら、起こる前に事前指導しておき、起きてしまった時に、その時の指導について振り返るのがより効果的だと思います。


協力者1名を募集する

今から、ちょっとした演技をしたいと思います。
先生が色々と演技しますが、前で一緒に先生と演技してくれる人を募集します。
協力してくれる人はいますか?

こんな風に声をかけて協力者を募集します。
ふざけてしまうと台無しになるので、元気で素直に演技ができる子を選びます。
今回のターゲットは、内緒話をしてしまう女子たち。女子を選ぶと、シコリを生む事になりかねないので、男子を選びます。

選ばれた1人を黒板の前に呼びます。

では実際の語りについていってみましょう!


語り

T:先生と太郎くんで今から演技をします。
 後から感想を聞きますので、感じたことを答えてくださいね。

T:(太郎くんの耳元に口元を手で隠し、太郎くんだけに聞こえるように内緒話で話しかける)ねえねえ、今日の給食知ってる?

太郎:(太郎くんも口元を隠して耳元で話してもらう)知ってる知ってる!

T:(時々、次郎くんを見つめながら話す)唐揚げだって〜。楽しみだね〜。太郎くんも、時々、次郎くんの方を見つめながら、給食の話してみてね。

太郎:(次郎くんを見つめながら)唐揚げも美味しいけど、中華スープも美味しいんだよね〜。

T:(次郎くんを見つめながら)わかるわかる。美味しいよね〜。
 はい!ここで演技終了です。
 みんなどんな風に感じたかな?
 はい、花子さん。

花子:なんか、2人で内緒話しててイヤな感じだった。

T:そう感じたんだね。他には?

次郎:なんか、ぼくの方何回も見てきて、内緒話して、絶対にぼくの悪口言ってたと思う。うざい。

T:そうなんだね。嫌な気持ちにさせて申し訳なかった。ごめんね。
 今、花子さんや次郎くんが嫌な感じとかうざいとか言ってくれたけど、そう感じた人手を挙げてみて。うんうん、みんな嫌な感じがしたんだね。
おかしいなぁ。先生も太郎くんも、みんなや次郎くんが嫌な気持ちになるようなこと一切話ししてなかったんだけどなぁ。ね、太郎くん。

太郎:今日の給食の話してただけだよ〜。

T:先生と太郎くんが話してたのは、今日の給食の唐揚げ楽しみだね〜って話をしてただけなんだけど、これって話しちゃいけないこと?そうじゃないよね。どんどん話していい話。じゃあどこがいけなかった?

花子:内緒話!

T:そう。問題は内緒話だね。たとえ、給食の話をしてるだけでも、周りの人から見たら、悪口を言っているように見える。その時、目の合った人は尚更、悪口を言われているんじゃないかと心配になる。次郎くん、そうだよね?

次郎:ぼくの方チラチラ見てきて、めっちゃイヤな感じだった。

T:みんなどんなところに気をつけたら過ごしやすくなる?

花子:内緒話はしない。

T:そうだね。みんなが気持ちよく過ごすために、みんながいるところでの内緒話はしないほうがいいね。気をつけていこう。みんなの前でできない話は教室ではしないようにしよう。中には、相談事とか2人でしかできない話もあるかもしれないね。そんな時は、誰もいないところで2人きりでしましょう。みんなが気持ちよく教室で過ごせるようにして行こうね。

こんな風に、役割り演技をしながら体験的に伝えていきます。

次郎くん役の子は、素直で心の強い子を選んでください。やんちゃでひねくれた子を選ぶと、どう感じた?と尋ねた時に

「何にも感じてねーし。むしろうれしかった!」

なんて答えかねません。台無しです。

ワークが終わった後は、

「協力してくれてありがとう。次郎くんのこと、嫌いなわけじゃないから、安心してね。次郎くんの感想のおかげで、みんなの学びが深まったよ。ありがとう。」

と伝えることも忘れずに。

まとめ

①事前指導がおすすめ
②協力者は素直で元気な男子を
③周りの人の感想を聞く
④当事者の感想を聞く
⑤話の内容ではなく内緒話が問題であることを押さえる
⑥教室で誰もが気持ちよく過ごすために必要なことを考える

内緒話の内容が給食だったということを種明かしすると、「え〜そうなの〜⁉︎」と子どもたちはびっくりします。一緒に演技をした太郎くんは、ニンマリです。

子どもたちは、話の内容ではなく、内緒話という行為が周りの人を嫌な気持ちにさせていることにハッと気づきます。

・内緒話をしない
・教室内でみんなの前で話せないことは話さない

この2つをしっかりと押さえましょう。

よろしければこの語りを使ってみてください。
やってみた感想をコメントでいただけるとうれしいです。


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