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親子メシ

𝕏‬で僕を知っていてくれている方は僕がいかにラーメン好きかをわかってくれているかと思うが、会社を経営しながら馴染みのラーメン屋を手伝ってしまうほどのラーメン好きである。一人で昼飯を食べるとなればラーメン屋だし、一人で飲むとなるとやはりラーメン屋である。中学や高校の時も友達と色々なラーメン屋を訪れたし、学生の時はよく二郎を食べた。
そんな風にふと記憶を遡らせてみたときに強く記憶に残っているラーメンがある。小6の時、母校である普通部を受けた後に食べた、日吉駅に程近い「龍華」のチャーシュー麺である。ここは定かではないが、確か1次の筆記を受けた後だったような気がする。自信過剰な子供だったが、第一志望の試験。さすがに不安でいっぱいだった。母に連れられて入った中華料理屋で無心で頬張った記憶がある。「どうだった?」と聞かれたような気がするのだが、多分「普通」とか「まあまあ」みたいな個性のない回答をしたのだろう、あまりその時の母との会話は覚えていない。
しかしその時のチャーシュー麺は格別だった。不安もあったし、朝早くから家を出て第一志望と定めた学校で4教科受けきったあとに食べたそのラーメンの美味さたるや。
その後、実はそのお店に足を踏み入れたことはない。理由は特にないが、学生が一人でふらっと入るような感じでもないのだ。母とその後一緒に学校を訪れたり、帰ったりはしていないし、それきりになっている。ただなんとなくだが、それまでただなんとなく好きってだけだったラーメンが猛烈に好きってのはここらへんのような気もしていて、自分の大事な記憶の一つとなっている。

親となって、子供が中学受験をした時に自分の頃にはなかった午後入試がある関係でご飯をどこでいつ食べるか問題が出てくるわけだが、午前中の試験が終わった後にそこからしばらく歩いたところにあった蕎麦屋に入った。僕は天ざる蕎麦、息子はざる蕎麦を啜った。試験の詳細聞きながらもう一息頑張ろうぜ。そんな会話をしたかな。合格した後にもう一度訪れて大将に実は試験の時に一度訪れたこと、そして合格をいただいたことを報告したら「おめでとう!」っていってくれて海老天をサービスしてくれた。街の老舗の小さな蕎麦屋なんだけど、格別に美味しくていまだにその味を覚えている。今でも近所の蕎麦屋に息子と二人で行くことがあり、対面で蕎麦を啜る息子を見て「あの頃より少しデカくなったかな」みたいなことを思ったりもする。

そんなことで入試の時の親子で食べるご飯は親としてはなかなか楽しみで、模試の時なんかもそれ込みでイベントごととして捉えている我が家は模試の会場選びも試験後のランチも含めて結構吟味していたりする。しかし次男はラーメンにあまり乗ってくれないのだよな。仕方なし。

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