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「これなんの時間だっけ?」会議を見直したい

前回の記事では、「ファシリテーション力」について私なりに工程を因数分解をしてみました。今回は、実際に起きる日常の会議シーンにおいて、そのファシリテーション力をどのように活用するのかについて、最近考えたことを綴ってみたいと思います。

会議内コミュニケーションは分類できる

会議に出席をしていて、「あれ?これってなんの時間だっけ?」という疑問を持つことはありませんか?特にオンライン会議が主になると、画面上だけで繰り広げられるコミュニケーションからか、その会議の本質を見失ってしまうことがあるというのが私の実体験です。

例えば、売上や予算の数字だけをマネージャーが共有するだけの時間になっていたり、メンバーの考えていることを共有するだけの時間になっていたり。
もちろん意図して「共有の時間」と設定してれば、それは有意義な時間だと思いますが、小さなチームが成果を上げるために、時として白黒はっきりつける議論が必要な場合もあるのではないでしょうか。
そのために、まずは議論には4つのプロセスがあるということを認識ておくことが必要そうです。

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(▲ロジカル・ディスカッション/堀 公俊・加藤 彰 著より)


1つの会議の中で全ての工程が行われるケースもあるかもしれないし、部分的に行うこともあるかもしれません。今回の会議がどの部分を司るものなのか、ファシリテーターや会議を進行する役回りの人は、事前に想像をしておくと、会議に必要な問いが設定しやすくなるのではないかと考えました。

議論と対話を区別する

そして、さらに認識が必要なのは、「議論」と「対話」が持つ性質の違いを把握しておくということだと私は思っています。
先ほどの議論の4つのステップの中で「対話」が必要になるステップは、②整理③統合④合意だと思います。

具体的には

②整理:どのように軸で整理していくか
③統合:何をゴールに出てきた情報を統合していくか
④合意:今回はどの結論に結びつけるか

②〜④の行為の背景にある言葉にできないメンバーの「価値観」やチームが大切にする軸が、判断の基準になっているケースが高いからです。
だからこそ、この②〜④には時として「対話」が必要になることがあると思います。

対話:相互理解や新たな意味づけをつくるための話し合い

議論:合意形成や意思決定のために納得解を決める話し合い

改めて、「対話」と「議論」はそれぞれ違った意味を持ち、それぞれの役割を果たします。

(私は、現在CULTIBASE laboという探求型の学習コミュニティに参加しており、ラボのファシリテーションゼミにて上記の棲み分けを学びました。)

つまり、議論と対話の違いを把握した上で、今この場所にはどちらが必要かを判断しながら、会議を進行していくことで、結論へ導きやすくなると思っています。

さて、、ここまで綴ってみて、そうは言ってもこんなに綺麗に議論ができるためには、まだまだスキル不足だ・・と感じたのが私です。。
理論は分かったけど、実践しようとするとなかなか難しい。。
なぜなら、議論を進めながらその場の状況を観察して、必要な問いをタイムリーに会議でぶつけてみるという過程が、訓練不足だと感じています。

その訓練のためにも、まずは今回のように当たり前に使っている「議論」や「対話」という言葉の定義を改めて言語化することと、現場の状況を観察する繰り返しを行なっているところです。
次回は、そんな会議の場で実践しながら出てきた問いから、学んでいることをさらに深めていきたいと思います。

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