仮面の忍者 赤影の話


白影 青影 赤影

『仮面の忍者赤影』はギャラの安い大部屋の役者さんでも、活躍の場を与えてあげれば主役級に負けない演技ができることを証明したと思う。逆に大物を投入したのが音楽担当の小川寛興さんで、昭和 40年に日本レコード大賞の作曲賞を受賞した当時の売れっ子。その小川さんが作曲したオープニングの『忍者マーチ』に、広告代理店の人が大した理由もなく作り直しを要求したことがある。仕方ないから小川さんに面会して正直に事情を説明したら、自信作だからこのままでいいと言われた。会議でその通りに伝えたら、代理店の担当者は黙って了承してくれた。よくできたものにケチをつけるのが自分の仕事と勘違いした人がいるけど、素人がプロの仕事に口出ししたらいけないんだ。せっかくいいものができたのに、いじったために却って悪くなったりする場合があるからね。

—『泣き虫プロデューサーの遺言状~TVヒーローと歩んだ50年~』平山亨著
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