見出し画像

妹が怒ってくれたよ

 三児の母となった妹と電話で話していて、姪の保育園の話になった。

 「そういえば私、かもめ幼稚園に通っていた時、あまりに泣き止まないから階段下の物置に先生に閉じ込められたことある」と何気なく言ったら、「ちょっとそれ、ヒドくない!」「めっちゃかわいそうじゃん!」と妹が即座に声を荒げた。少し驚いて、その後、私は誰かにそう言って欲しかったんだなあと胸がじんわり熱くなった。

 私はとにかく、幼稚園が全く1mmも幼児の髪の毛ほども好きではなく、毎日毎日泣いていた。毎日泣いていたけど幼稚園に行かないとお母さんが悲しむからと、それだけの理由で通っていた。なんて我慢強い園児だったのだろう。
 ワダ先生に物置に閉じ込められたことも母には言えなかった。わけわからん園児の中に投げ込まれているよりは物置の中の方がずっと良かったが、私がワダ先生に疎まれていると知ったらお母さんが悲しむと思い泣き止めなかった。これを書きながらちょっと泣きそうになっているアラフォー。5歳児の私ちょっとかわいそう過ぎでは?

 2歳違いの妹は、私と違って幼稚園でも「わりと上手く出来るタイプ」だったので、彼女がそんなふうに怒るのは少し意外だった。三児の母は強くて優しい。この妹のおかげで、母には初めて幼稚園にママ友が出来た。