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【読書会感想】どうして人は後悔するのだろう

 職場で組んで働いていたずいぶん年上の先輩に、「母のガンが判りこれから休暇が多くなると思います」と言ったとき、先輩は身内に医療従事者が多いためか少ない言葉で私の状況を理解してくれた後、「自分が親を亡くしたのは貴方よりずいぶん年齢がいってからだが、何をどうやっても後悔するものだ」と言われた。その時も「そうだろうな」と思ったし、母を亡くして数年がたった今は、そうだな、と思う。特に思うのは、もっと母を抱きしめたり撫でたりすればよかったな、ということ。

 母の病気が判って数週間後、仕事で失敗して、というか、自分のミスがこのタイミングで発覚し、その処理で自分ができることはあまりなく、これはこれで落ち込んだ。母の病気に仕事のミス、あといわゆる人生折り返し地点でのアイデンティティクライシスが続いていて、「自分ヤバい」をある程度冷静に自覚していたので、とりあえずカウンセリングを予約した。母と過ごすにあたり、自分の問題に足を取られているわけにはいかなかった。予約したカウンセリングルームで、対応していただいた女性に吟味しない言葉を垂れ流し続けることで、ずいぶんと態勢を立て直すことができた。

有間しのぶ『その女、ジルバ』

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 ”日々暮らしてるその場所から始めなよ”
 ”過去も一緒に生まれ変わる”
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 そんなこんなで、後悔というテーマで思いついたのがこのマンガです。悔やむというのとは少し違うのかもしれないけど、過去を語りなおすことで自分を乗り越えていく。変化を受け入れて、変化しようとしていく。とっても好きな作品です。

 PCを新しくしてから、Zoomの接続が不安定で、読書会ではあまり反応出来なかったのですが、今回も本当に面白かったです。
 母親に素直になれないとか、友人に対しもっと数日深く落ち込めよと思うとか、そうですよね!!と言いたいこといっぱいありました。「気持ちは伝わる」ということもその通りと思うし、「本当に気持ちは伝わるのか」ということもその通りと思います。前夜も遅かったけれど早起き?してよかったです。

 『その女、ジルバ』の中でマスターが、「人が人を理解するなんてできないと思うよ、おれは。」「見ても聞いても話しても取りこぼすんだ。」と台所仕事をしながら語り、その背中をアララさんが見ているシーンがあります。この気持ちは私が母に思うことでもあるし、後悔の一面でもあるなあ、と今回の読書会を通して思いました。

 こちら、にしじまさんの記事。次回も行きたい。