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村上読者たちと安寧なる寝床

昨日の夢へ知人の井畑さんが出てきた。
井畑さんの近所に私の前の前に住んでいたアパートがあったので
井畑さんら友人と市街地へ飲み会に行ったときタクシーを乗り合わせたり 代行運転の帰りに同乗させてもらったりしていたのだ。
あと自分が会社を辞めかけていたころが、井畑さんが個人事業主である事業において事務所を構えようかとしていた時期だったためビルの一室改装DIYに楽しく参加したりした。
なんで夢に出演したかと紐解いて考えてみると、村上春樹が翻訳した本を読んでいたからではなかろうかと思う。
井畑さんは東京へ出て専門職で働いたあと、生まれ故郷で祖父を引き取って白くて2階建ての一軒家に暮らしていた。
飲み会か鍋か今となってはもう忘れてしまったが、井畑さんの家では台所を挟んでダイニングとの間のカウンターテーブルの隅に、文庫本がずらっと並んでいた。それらはすべて村上春樹だった。技術書などはおそらく電子書籍やらで、網羅できていたのだろう。
同じ時期に知り合った女子大学生も同じようにひとまとまりだけの文庫本を持って、それらすべて村上春樹だった。それ以外の本は授業などの取り扱うのであろう、専門書だった。
村上春樹の書いた本。それさえあればいい、そんな声が聞こえてきそうな書棚はさみしい気持ちにもさせるし、同時にとてつもない豊かさも感じられた。

ロングスカートのでかいポケットに羊をめぐる冒険を忍ばせてデートしに行った相手がムッシュだった。彼は書店でアルバイトしていた時期があった故に小説、漫画の話にたくさん付き合ってくれる。曰く、異性で村上春樹がおもしろいと評している人に会うのは初めてとのことだった。
自分が外国語をいくつか勉強している話をしたその日、1973年のピンボールでスペイン語教員をしている大学教員の「砂漠に水を撒く仕事」のようだという例えを、ムッシュ自身第2外国語を勉強したが忘れているという話題で引用していた。 


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