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居場所はどこにあるのー西川遥輝、大田泰示、秋吉亮、自由契約が告げられるー北海道にも初雪が舞い降りてきた日ー

西川遥輝、大田泰示、秋吉亮、FA権を取得している3選手を自由契約としたファイターズ球団。

西川くんに関しては、昨年のメジャー挑戦挫折からの再契約が1年だったことを考えると、今季の成績がきちんと上がっていれば、普通にFA宣言してたような気もするが、現実の打率は2割3分台、盗塁王を取ったとはいえ四人が24個で並ぶ、申し訳ないけどレベルが高いとは言えない。肩の故障もある。2億円越えの年俸を請け負う球団があるとは、予想しずらい。ファイターズで契約するにしても大幅ダウンにならざるをえない。

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を考えれば、自由契約にして、最も評価してくれる場所へ行くのが良い。受け入れ先がなければ、ファイターズの提示を飲んでもらえば良い。

大田泰示に関しては、わたしは、実のところよくわからないのだが、なぜたいしちゃんは、今年こんなに調子が悪かったんだろうか。

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(ファイターズHP 選手名鑑から抜粋)

巨人にいた頃、見るからに打席で息苦しそうだった大田泰示は、ファイターズにやってきてみるみると息を吹き返す。移籍1年目から15本塁打を放ち、以来順調に成績を伸ばし、3年目には堂々たるレギュラー獲得、札幌ドームには、サラサラヘアーセクシーたいし💕熱狂ファンも大量発生していた。

しかし、こうして成績表を眺めてみるとコロナ禍の2020年から陰りが見えている。この年のはじめ大田泰示は、「中田さんから4番を奪い取るつもりで」とインタビューに答えたりして、チームリーダーになる自覚があったと思うし、確かにそういう位置にいた。

その一方で、これは、本当に、単なるファイターズファンでしかない、わたしの主観的で表面的な見方であって、信憑性など何にもないんだけれど、別に移籍選手だからという意味ではなく、大田泰示はチームに本当に馴染んでいるようには見えなかった。移籍当初は、伸び伸びできて良いチームだという彼の言葉は本心に取れたが、いざ真の中心選手になろうとした時、チームの中で確たる信頼関係を築く居場所を持てないまま、シーズンを過ごしてしまったのではないか。本当に微妙な違和感なんですけどね…。

そして、彼としても固い決意で挑んだはずの2021年、全く打てない。どんどん歯車は狂い、挙句に「4番」中田翔は、暴力事件でいなくなり。本来なら代わりの「4番」は大田泰示でなければならなかったのに、何もできなかった。シーズン最終盤、一軍での打席は、以前の息苦しそうな姿に戻ってしまっていた。

コントロールが定まらず、成績が出なかった秋吉亮も同じく、来期以降、若手に総入れ替えを目指すファイターズでの居場所を探すのは、難しいのかもしれないと思った。

今のファイターズの台所は、果てしなく厳しい(はずだ)新球場を開くために莫大なお金がかかる。削れる経費は全て削り、出せるところには全力で出す方策を練るしかないだろう。

新庄剛志監督は、北海道のファイターズファンを呼び戻すために呼ばれた。こないだ仕事が終わった後、いつも寄り道する喫茶店でコーヒーを飲んでいた。お店のカウンターにわたしと同じくらいの年齢層、中高年女性客がいてマスターとファイターズの話をしていた。つい聞き耳を立ててしまったが、その女性は、まことに興味深いことを語っていた。

友達が、中田翔の件で、球団に電話して怒鳴りつけ。ファンクラブを辞めたって。なのに新庄さんの監督就任が決まったら、こっそりまた入り直したんだよおおって。

……つまり、そういうことなんだ。と、わたしは、激しく納得した。

中田翔への球団の対応によって失われた多くのファンクラブ会員を回収し、なおかつ増幅させる可能性があるのは、新庄さんしかいない。

本州のプロ野球ファン、玄人の野球通には、全くわからない感覚だろうけど新庄剛志は、初めてプロ野球に出会った北海道のファンにとっては、卵からかえった雛鳥が初めてみた親鳥のような存在なのである。輝けるスーパースター。とことん球場で楽しませてくれるヒーロー。

たとえそれがどんな危険な風船爆弾だったとしても、起死回生させるための手段は、それしかないと。吉村さんと会社は判断したんだなあ(どこまでも想像です)。

それくらい切羽詰まっているわけだから。年俸トップの中田翔を追い出し、高額年俸のFA権をもった3名を自由契約にしてでも、チームが、球団が倒れたら、それで全ては、おしまいなのだから。

球団て潰れることあるんですからね。北海道のわたしたちは、まだ17年しか経験していないけれど、本州のプロ野球は、80年以上の歴史を持つ。幾度も球団は潰れてきた。今は九州福岡のホークスだって昔は大阪にいた。南海ホークスからダイエーホークス、ソフトバンクホークスになった。所沢の西武ライオンズは、逆に福岡の平和台球場でやってた西鉄ライオンズ…。

そもそも東京からやってきた日ハムだったよ。北海道の日本ハムファイターズが、いつまでもあるとは、限らないのだ。

チームは、変遷していく。選手たちは、プロ野球選手であるために、生き残ろうと努力する。どの決断が、どの選択が、正しいのかは、結果だけが教えてくれるけど。行く道を選択できるプロ野球選手もまた、一握り。

行ってなすべきことをせよー

それぞれの道が、よりよく生きられる居場所へつながることを、祈ります。

見つめるだけしか術のない、ファンにできることは、ただ、それだけ。


(文中敬称略)








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