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泣くな優心ー混迷のバッテリー、非力の打線、守れないチームー船頭は辛い。なんにもないファイターズだとしても。上沢直之は、笑顔を見せながらベンチを出てきた。(2020年に記す)

ファイターズ2020 7/14 22試合目 札幌ドーム F×M  2対5

ひちょりさんのファイターズ評も歯切れが悪い…褒めるとこそこしかなかったよね…。


観客が入場した札幌ドーム。「コロナ対策のため大きな声援はご遠慮ください」のスタンドには、切ないファンの気持ちがボードに書かれて映し出されている。

ーこの日を待ってたよー

わたしたちのもう1人のエース、上沢直之が、再びマウンドに立つ。少し痩せたような気がしたが、襟足をすっきりと刈り上げた髪型のせいだったのかもしれない。

先頭バッターは荻野貴司、今季絶好調のベテラン。粘って欲しくないのに粘って最後はヒットで出塁されてしまう。盗塁を警戒するバッテリー。1球目からスタートしてくる荻野貴司。バッテリーは盗塁阻止ー清水優心がセカンドへ投げた!

と思ったらテレビ画面がおかしなことになり、セカンドベースでなく、一、二塁間方向にボールが転がっていくだけの映像に…そそくさと3塁に到達する荻野貴司。リプレイ画像では、清水優心の送球が、なんとマウンドで屈む上沢直之の右肩あたりに当たっているではないか…。

大慌てで木田投手コーチやトレーナーさんが出てくるも、うわっちは、うっすらと笑みを浮かべて、大丈夫と手を振る。ノーアウト3塁。こんなはずでなかった感がベンチから球場から充満する中、あっさりとマリーンズが先行1得点。

ファイターズ打線は、ロッテに移籍した美馬っちょに対し、先頭西川が出塁するも相変わらず上位打線に元気はない。大田、近藤、中田、渡邊の全部が止まったら点が入るはずもない。さらに下位打線は1割バッターばっかりなんだから。確率的に点が入らないのが90%ってことになっちゃう(違うか?)😅

3回表、またも荻野貴司出塁。マーチンにタイムリーを打たれ2失点目。なおもランナー2塁1塁でダブルスチール。ここで決定的なミスが起きる。優心の投げたボールはサード手前でバウンドし、守るビヤヌエバの届かぬ方向へ流れていった。3失点目。呆然と顔を歪ませるキャッチャー清水。平常心に戻れというのは無理だった。

この時点でファイターズに寄せ返せる気配はなかった。魔法使い星野の出番もないよ。中田翔はDHで出場だったが、ベンチで映された表情は、なんか冴えずに変だった。肩をしきりに触っていたし。もしかしたら具合が良くないのかもしれない。

立て続けに失策をした清水優心の状態を心配していた。開幕から対戦する各チームに走られまくり、きっと優心の頭の中は(盗塁を刺さなければ。進塁を止めなければ)で一杯だろう。その上、先だっての試合から送球ミスが続いている。もちろんそれは焦りから連動してのミスだと思う。

盗塁を止めなければ、進塁を止めなければー失敗してはいけないー

ってまた魔法使い星野の逆説が、リアルになる。

4回にも1失点し都合4失点。5回表、清水優心はベンチに下げられ宇佐見真吾にキャッチャーは変えられた(なんで石川亮じゃないんすか!?って美馬っちょを打てる可能性は宇佐見チャーミーの方が高いしな)

あーあー優心泣いちゃったのかな…

って半ば冗談で呟いてたら。本当に泣いてた…画面に映るベンチに戻って着替えた優心は、涙をぽろぽろ流して…それでも試合を見なければとグランドに顔を向けていた。この現実を彼はどう消化し転換していくんだろう。バッテリーコーチ鶴岡さん、若い人を支えるって簡単じゃないですね…。

試合は、ファイターズ側からすると、これ以上というか以下というかのダメ試合はないな、ってくらいな感じのままで終わった。ファイターズが勝てる要素を見つけ出すのは大変に難しい。10連敗くらいするかもしんないくらいの覚悟を持ったほうが安心かもしんない(なんの安心?)

それでも、わたしは今日のゲームで、ものすごく感じ入る場面があった。優心の送球が肩に当たって、そのまま1点入ってしまった後の1回裏。2回の投球練習へとベンチから出てきた上沢直之は、軽快なそぶりで、そしてニコニコ笑っていた。

俺は大丈夫だから 何も心配すんなー 

僕は大丈夫ですから ちゃんと投げられますから心配しないでねー

優心へ ベンチのチームへ、そしてスタンドにいる観客へ テレビラジオの前のわたしたちへー同時に発信されるーナオからのメッセージーは。上沢直之という投手であり人間の、揺るぎない資質を伝える。

さあ、また今日という日は、はじまります。


ファイターズ7勝13敗2分 借金は6に。コツコツ返すしかない。

















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