山賊に勝てるものはなんだ?

◆山賊打線 西武ライオンズの前身、太平洋クラブライオンズで1975年(昭50)につくられた応援歌「惚れたぜライオンズ」(中村基樹)の中に「山賊打線」が登場する。2番の歌詞の冒頭で「ごつい顔だよ 山賊打線」と歌われている。この年は土井正博、白仁天、ビュフォードらが主軸。若き日の真弓明信(日刊スポーツ評論家)が、1軍に定着した。(日刊スポーツ) 

開幕から無闇に打ちまくる西武ライオンズ。その情け容赦ない戦いぶりにいつしかファンの間で「山賊打線」と呼ばれるようになり、ラジオでは、えのきどいちろうさんも言及し、ついにはスポーツ新聞の見出しにもなった。

ご存知のとおり、わたしたちのファイターズは、その最初の被害者である。開幕3連敗の後、西武ドームでの8点リードからの大逆転負け…。その傷も癒えきらない5月5日、相変わらずライオンズが暴発し、楽天の則本が大炎上させられていた夜、お友達とお話していた。

「恐ろしすぎる山賊打線…。」

「山賊に対抗するのってなんだろう・・(^◇^;)・・王子様かしら✨」

‏「プ、プリンス打線、インパクト弱いですかね(^_^;」

「正直な話、勝てるのは顔だけだ!そうですよね!💐」

アホらしい…しかし実感がこもっている…。あんまりにも山賊打線の勢いが凄すぎて、どうしていいのかわからない。わたしが考えたって勝てるもんでもないわけだが、なんとかできないもんだろうか?というファンの切なくも儚い気持ちが伝わってくる・・(きませんか?)

 幸いにもファイターズは、4月18日に身ぐるみ剥がされたあとライオンズに当たることがなかった。他のチームが山賊の被害にあいまくっている間に、チームを立て直し、貯金も作ることができた。

 満を持して迎えた5月15日、東京ドームでの対ライオンズ戦。先発は、産休から復帰してきたニック・マルティネス。メジャーのオファーを蹴って北海道にやってきた異色の投手は、物腰柔らかく、いつも笑顔を絶やさないジェントルマン。そして、はっきり申し上げてめっちゃハンサム。

 チーム内でもメディア的にもマルティネスだから「マルちゃん」というあだ名をつけたがっているが、キャラ的に合わないような気がする。ハリウッド俳優みたいな容貌には「ニック様」とかつきそうだけど、宣教師のような思慮深さと真摯な態度には、これも似つかわしくない。

 2010〜13年まで、ファイターズにいた超真面目で親日家のアメリカ人ピッチャー、ボビー・ケッペル。彼はファンに「ケッペルさん」と呼ばれていた。マルティネスはケッペルタイプに見えるので、わたしは「ニックさん」と呼ばせてもらっている。

 ニックさんは、山賊打線を7回無失点に抑え、チームは、2対0で勝利した。中島卓也がファインプレーをすればガッツポーズで吠え、中田翔が山川のファールボールをダイビングキャッチすれば両手を挙げて喜び、ベンチに下がっても味方の一投一打に集中し、声を出し、みんなを鼓舞する。これほど試合に入り込む投手は、見たことがない。

 そんなニックさんの後を受けて、第二戦を投げた上沢直之。あだ名はうわっち。93年世代、松本剛、近藤健介、石川慎吾…みんな活躍してきた豊作ドラフトで6位指名。「松戸のダルビッシュ」と呼ばれていたが、彼が本当に似ていたのは、嵐の大野くんだ。大野くんのように可愛かったと言ってもいい。

5月16日の上沢直之は、美しかった。結婚したせいもあるのか、丸顔は変わらないはずなのに、子どもっぽさが抜け大人の男に変身しつつある。見た目と比例するように投球も大人になってきた。破壊的なライオンズ打線を相手にしながら粘りに粘って9回を投げ切り、1対0で完封。130球を超える熱投だった。

 翌日の新聞記事には、「伊藤コーチと高橋コーチに本当にお世話になりました。支えてくれた皆さんのお陰です」と一昨年の肘の手術の後、リハビリしていた鎌ヶ谷で指導してくれたコーチに感謝を述べていた。伝えきいた高橋コーチの「そんなこと言うようになったのか」と嬉しそうなコメントもついていた。考え方も大人になったうわっちだった。

 山賊打線を抑えてくれた、二人の先発投手。ハリウッドスターのようなニックさん。アイドルみたいな上沢くん。まじ見た目は美しく素晴らしい。しかしながら見た目だけでは、ごっつい山賊打線は抑えられない。当たり前だけど。

北海道に来てからのファイターズは、守り勝つことをモットーにしてきた。「守り勝つ」と一言でいうけれど、投手だけではできないし、野手だけでもできない。全員がミスを最小限に、つながり合って助けあってやらないと長いシーズンを乗り越えられはしない。

基本打てない(ごめんなさい)ファイターズが、山賊ライオンズに勝つにはやっぱりそれしかないんだろう。

(もうちょっとは打ってもらいたいけど…)



これは中途半端な話になってますね・・・😅この頃は、ライオンズが強すぎて、どう展開していいのか、考えつかなかったなんだな。きっと。





















 


















この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?