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ガラスのエースは振り向かない。杉浦稔大、プロ野球人生初の8回まで到達ーファイターズは今季初の3連勝!

ファイターズ2020 7/30 36試合目 札幌ドーム F×bs 7対4


杉浦稔大投手は、北海道帯広出身、2013 年ドラフト注目の大卒投手。ヤクルトとソフトバンクの1指名競合でくじ引きの結果、つば九郎のところに旅立った。

わたしは、たまたまドラフト関連のテレビ番組か何かを見てて(杉浦くんてとってもかっこいいじゃないの!?帯広出身だし剛球投手だし、ファイターズに来て欲しい!)心で願っていたので、すごくガッカリしたのを覚えている。

期待のルーキー は、入団後、即肘の故障。その後も登板しては、ぶり返し、良くなったかと思えば、今度は肩の故障で離脱。不運な野球人生のまま2018年、ファイターズへトレードでやってきた。時間がかかったけど、やっと来てくれたのね、ようこそファイターズへ😊という気持ちだった。

ファイターズでの仕事は、まず肩の故障を治すことから始まった。

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年度別の成績表を見ると、ヤクルト時代は、2016年の17試合51イニングが最多の登板になる。この後に肩を痛めてしまうのだが、移籍してきた’18年は夏場に復帰し、感覚を開けながら登板。回数も5回まで。'19年も同じくで、その方針は、たとえ5回パーフェクトで抑えていても、すっぱりと交代させる徹底ぶりだった。

「なんで交代させるんだ!」栗山監督への風当たりも相当強かったが、ガラスのエース杉浦稔大を守り、完全復活させるためのシナリオとスケジュールから外すことはしなかったんだと思う。ここらへんの我慢の仕方は、大変に栗山英樹っぽい。

何が一番、杉浦のために良いことなのかー優先主義。

昨年は、登板機会も回数も徐々に増え、肩肘への不安も聞かれることがなく、今年は、開幕からローテーションの一角として回っている。登板間隔は開けられているものの1試合のイニング数は、6回7回と延長され、昨夜は、ついに8回まで到達した。ヤクルト時代も投げたことがなかった。プロ入り初の8イニングス。

日本プロ野球には「カムバック賞」という賞がある。長期の故障や病気から復活した選手の努力と実績を称え与えられる。調べてみるとセリーグは、一昨年、松坂大輔が受賞しているが、パリーグは、なんと19年間も遡り、先年亡くなった元ロッテの盛田幸紀さんが脳腫瘍から復帰した2001年以来、受賞者がいないという(ウイキペディアより)

なんでパリーグには「カムバック」が、少ないのか? という疑問はとりあえず置いておいて、それにしても近年のプロ野球の状況では、長い年数をかけて選手を復帰させるゆとりは、どこの球団でもないんじゃないだろうか。かつて何億円も年俸を支払いながら二軍に功労選手や有名選手をキープしておくなんて某巨人もこの頃は方針を変えている。

ファイターズでは、去年の大怪我から復帰した上沢直之、三年前の膝手術から復帰した谷口雄也の例は、あるけれど。一昨年肘を手術した中村勝は、契約更新なしとなりオーストラリアで人生を模索している。

そんな中、杉浦稔大は、2年間じっくりと様子を見ながら、しかし一軍で結果も出しつつ、ここまでやってきた。プロ入り7年目。28歳にして、最長8回1失点の勝ち投手。ガラスのエースは、もう壊れることを恐れない、しなやかな投手に生まれ変わることができたのか。油断は禁物だけれど。

今のところ杉浦稔大が、3勝目をあげたファイターズ先発ローテの勝ち頭であることは、間違いない。


ファイターズ 16勝18敗2分け 初の3連勝!首位ホークスと3.5ゲーム差5位。



















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