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時のすぎゆくままに〜〜どんどん人生は死に近づいていくけれど、生きているうちはあんまり気がつかないものですね。

毎日が、あっという間に過ぎていく。
『野球短歌』を読んだのは、もう7日前。
今年の1月に、父が急に亡くなって、もはや半年過ぎたのか?
 
亡くなってから、色々な手続きをする。相続人は、母とわたしと妹で、実質的な作業は、わたしがするしかなかった。母の認知症が一気に進んで、一緒に住んでいる妹は、暮らしでせいいっぱい。

父の死を悲しんだり、生前を振り返ったりするゆとりはないというか。
センチメンタルになるには、頭脳が働き過ぎているというか。
一通りの手続きが終わるとほっとして、まさに文字通りに
「肩の荷が降りた」とはこのことかと思うくらい、肩から力が抜けた。
本当にふーっと肩が軽くなったのだった。

お父さんは、ほぼ誰にも迷惑をかけずに生き、死ぬ時も同じだった。
母を残すのだけは後悔があっただろうけど。母が悲しむからではなく、母を置いて娘に負担をかけるのが嫌だったと思う。

父の死は急だったが、予兆はあった、それなりの覚悟ーというより諦めーは本人にはあったのではないか。
父は、母を守り続けていたが、自身の余力が尽きる。もう気力がないーたまに帰る実家で、会う度に父の気配は薄まっていた。
最後に会ったのは亡くなる1ヶ月ほど前だったが、普通に会話し、一緒にご飯を食べ、ワインも飲んだけれど。どこか霞がかかったみたいに、薄まっている感じがしたのだった。

命の気配というものは、あると思う。
母の認知症はどんどん進んでいるし、体も弱っているが、彼女の気配はしっかりしたままだ。まだしばらくは生きるだろう。

思えば、わたしの人生は「母から逃げる」ことばかりだった。
母のように生きたくないとかいうんでなく、母と一緒にいるのが気詰まりでとにかく離れていたかった。
離れていれば、普通に付き合えるので。一緒にいるとうまくいかないので。
17歳で離れて以来、それがむしろ家族が維持されていくコツなのだと理解してたので。一緒にいたらえらいことになってたかもしれない。
根本的に相性の悪い人とは、無理に努力したりなんかせず、離れることです。悪感情が固着してこじれるとろくなことにならないので。

「本音で話せば分かり合える」とか「家族の絆」とか、言われても気にすることないよ。さらっとしてて何も構わないと思うよ。

何の話だったっけ?
ああ時が、あっという間に去ってしまう。
明日という日が、来る。
でもいつか、それも終わる。
生きてる間にだけ時間がある。














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