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メッセージBook『谷口雄也ー覚悟を力にー』(廣済堂出版)発売記念ーアイドル選手は、超えなければならないものなのだろうかーその2


ーアイドル選手の自覚ー

東京ドームで「発見」された「きゅん」は、瞬く間にアイドル選手としての人気を獲得していく。ことさら力を入れていたのが「可愛すぎるスラッガー」の見出しをつけた日刊スポーツだった。2014年の春キャンプ練習試合でホームランを打った翌日、デカデカとトップ記事になっていた。以来、谷口雄也の代名詞となる。

担当記者のコラムで「僕はそういう気はないが、この男だけは別だ」とかって谷口くんの魅力について力説してた記憶があるんですが、検索しても出てこない。当時の人気女優でトップアイドルの位置にもいた「剛力彩芽に似ている」(最初に似ていると言ったのは、俺だ!と威張っていたのは当時は現役、今は木田優夫投手コーチ)とのセットになって全国的な認知度が高まっていった。(2つ目にあげたリンク記事は、高山さんですね!今のファイターズ 広報でござる)。

プロ野球のアイドル雑誌『プロ野球ai』の看板選手にも駆け上がる。未だ一軍にはちょびっとしか出ていない半端な選手が、こうまで持ち上げられるとなると過去のプロ野球の歴史上では、「人気先行」「ルックスだけ」「女性ファンしかいない」などなど徹底的に叩かれるのが、通常営業。

現実に同期1位のそれこそ注目度No1甲子園アイドルNo1の斉藤佑樹、ゆうちゃんは、1年目こそ6勝6敗でそこそこの成績だったが、2年目からは振るわず、鳴かず飛ばずになろうとした途端、有象無象に異常なまでの叩かれまくりだった。

しかしながら、なぜかしらわたしたちのきゅんちゃんは、裏界隈ではわかりませんが、表だってはそれほど標的にされることはなかった。ドラフト5位だし、そもそも知名度は低いし、ファイターズ ローカルだからだったのか。

なんというか、このプロ野球人気低下の時代に、せっかく生まれたアイドル選手をみんなで暖かく育てようみたいな空気が、きゅんちゃんに限っては、あったような気がする。

先輩の稲葉篤紀さんも、次代の期待選手についてファンの質問されて「谷口って知ってますか? 顔みたらぎゅってしたくなるくらい。いや変な意味じゃなくて。それくらい可愛い〜の。でも体も大きいしいいバッターなんですよ!」なんて答えみたり。

いつだったかの交流戦で横浜ベイスターズの中畑清監督が、「あのイケメンは誰だ!」「俺よりイケメンはいないけど、彼だけは違う!」とニコニコ顔できゅんちゃんの話をしたり。全く試合と関係なかった😅

なんちゅうか純粋に彼の「可愛さ」が人々を魅了していくといいますか、単純に「可愛くって好きになっちゃう」んだよね。きっと。それこそがアイドルの真髄なわけですが…。

そのようにして注目度が上がっていくにつれ、谷口くん自身にも「アイドル選手」としての自覚があるなと、こちらからも感じるようになっていった。

無意識なのか意識的なのか、ことさら周囲の期待に応えるかのように「可愛さ」を演出する髪型やファッション、仕草を見せることに躊躇がない。球団(ていうかGM吉村さん)から「もっともっとアイドル業で稼げよ」指令でも出てるのか、と疑う気持ちを持ったくらい。

後々のインタビュー記事などから、谷口くんは、周りの空気というか「周りは自分のことをどう考えているか」「自分の立ち位置はどこか」を非常に敏感に察知するタイプの性格なのだとわかるのだけれども。

人気急上昇の頃は、さすがに野球漬けで情報遮断された名古屋の名門校から世間に出てきたばかりの若者は、多少はメディアの注目や「可愛い可愛い」とちやほやされることに浮足だったところもあったのかもしれない。

「僕って可愛いのかな?」

と、きゅんちゃんが思ったかどうかは、全くわかりませんが、「可愛いいってみんなに喜ばれるんだ」という発見は、きっとあったと思う。それもプロ野球選手の仕事として喜ばれるなら、認知度をあげられるなら、ファンやメディアから求められるならやってみよう。まさにアイドル業の自覚を持って請け負っている。

のではないかと、わたしには感じられた時代だった。

そうこうしながら2014年谷口雄也は、ファームの優秀選手賞を受賞。2015年、とうとうついに開幕スタメンを奪取。交流戦では、雨のマツダスタジアムで前田健太から同点スリーランを放つ。野球の方もこつこつと実績、実力を積み重ねていた。

この頃、わたしは、恥ずかしながらほとんど気がついていなかった。

きゅんちゃんは、失敗しても腐らずに仕事を続ける根性がある。チャンスを逃して二軍に落ちても次の打席を待ち続ける、粘り強さがある。

そういう選手なのだと。

つづく













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