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広島へ~Senri Oe ”Hmmm”Japan Tour 2020~

一歩、店内に入ると、丸椅子が隙間なく置かれていた。
一度座ると動くことが出来ないほどの、ぎゅうぎゅう詰めの会場。
マスク姿の観客。マスク姿の店員。

そんな中で当然Noマスクの千里さん登場。
なんだか申し訳ない気持ちになるけれど、
のっけからコケる振りして笑いを誘う。
紺のジャケットとGパン。あれ、紹介していたドーナツ柄の衣装じゃないのね。そう思っていたら正面を向いた千里さんのネクタイは、あのドーナツ柄だった。
前の二日間も微妙に変えていたのをnoteで知る。個人的には、あのジャケット姿、見たかった…。


🎹

広島は15年ぶりとのこと。(noteでは14年ぶりと書いているけれど会場では15年くらい?と話されていた)
それだけでも千里さんにとっては感慨深いものがあるのだろう。時々、遠い過去を思い出すような眼をしてふと視線を上げ、言葉を空から選んで引っ張りだしてくるような表情で話す。


富jazzに似ていると言われた店内。
違うのは、富jazzはみんな飲食しながら聴いている。でもここは全員が千里さんを凝視しているということ。
もちろん私も目をそらさない(笑)

🎹


ステージに佇む茶色のアップライトピアノは40年ものだそうだ。

1曲目は『fried green tomato』
若干高音で軽い音だなとの第一印象。
千里さんいわく「ホンキートンク」
でも徐々に耳に馴染んでくる。

どんなピアノも自在に弾く千里さんの指先に吸い寄せられる。気づくと目が手元に釘付けになっている。

演奏とともに体が自然にスウィングしてしまう。


🎹


『Re:Vison』についての話が印象深かった。
Reborn は生まれかわること。
それに対し、同じ場所でも、同じ顔でも、同じ服を着ていたとしても、意識を、思考をリセットして新たに始めることはできる。
そんな思いをしたためた曲。


今回のアルバム「Hmmm」は、たくさんのMVをつくっている。 『Bikini』は夏ころまでにMVを作る予定とのこと。
jazzだけども、どんどんMVを作っていこうと思っていると話されていた。こちらもこれからの楽しみ。


同じ会場にいたふわりさんが、たくさんの会場写真とともに、千里さんのお茶目なトークも詳しく紹介してくれています。
凝視の話も、Bikiniのおもしろトークもリアルに再現されているので、まだ読んでいない千里ファンは是非😊

トップ画、まるかぶりですが😆

🎹


ひとつ個人的に思い出に残ったこと。

『indoor voices』の話の中で和敬清寂について語る場面。
和、敬、、、えっと、寂。とひとつひとつの文字を英語に言いかえながら説明していく千里さん。

「あとひとつ、なんだったけな」

1拍おいても出てくる気配がないので、小さく「せい」とつぶやいてみた。
狭い店内。声が届いたようで「えっ?(教えて)」という眼鏡の奥のつぶらな瞳で私を見るので、頑張って大きな声で「和敬清寂」と叫んだ。
千里さんが、そうそう和敬清寂。「せい」ね。Quiet
と説明する。
あ~、千里さん、その「せい」は「静」だよね。
残念。違いますとは言いませんよ。もちろん。
あの会場で大きな声を出しただけで、私はもう変な汗かいたから。

久しぶりの広島が嬉しくて、千里さんも少し舞い上がって度忘れしたのかな。
おかげで私も舞い上がってしまった。
そんな中で聴く大好きな『indoorVoices』


至福のひとときはあっという間。
でもしばらくは余韻が残って幸せは続く。
そんな気持ちを大切に心に持って、ホテルへ戻った。

🎹


あの日。
会場で会った関西の千友とは「次は大阪だね、楽しんでね」と言って別れた。
私も10日後に東京。今度はtrioで会える、そう信じて会場を後にした。

まさか、私が参加したこの広島公演が最終日になるなんて、その時は思ってもいなくて。


千里さんは公演中止にあたり、有料だったセトリ通信のいくつかと今回の3公演についての記事を無料で公開している。
こういう優しさが沁みるよね。
最後の広島の記事も先ほど公開された。
すべての音楽ラバーへ届きますようにと。

しっかり届きました。
そしてまた会える日を心待ちにしています。

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