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「ニューヨーク渡航記」行ってみたかった国へ行って見つけたもの。

どうしてニューヨークへ行ってみたかったのか、振り返るともう3年前のことになる。

ー2020年2月、アメリカのモデルエージェンシーに目を向けた絶好の時期。
「ニューヨークへおいでよ!」と声をかけていただいた。
スケジュールもそれなりに決まり、あとはフライトを取るだけだったような気がする。

そんなときに訪れたコロナ禍。
ニューヨークはロックダウン、ファッションの仕事は激減したとのことで来ることを止められた。
止められたというより、彼らの優しさだったんだろう。
それから半年後、1年後にもリスケを繰り返し、結局は私自身が仕事の方向性を変えたこともあり渡米する計画は消えた。

ー2022年冬、年明けに海外へ行こうと決めた。
大好きなイタリアへ行きヨーロッパを周遊するか、アジア圏の南国へ行くか・・・時々思い返してしまうニューヨークへ行くか。
幸い、周りにはコロナ禍でも海外へ飛び立つ人たちや海外から日本へ住み移っている人がたくさんいて、いろいろな情報を取集することができた。

これまで旅行という目的で行き先を検討したことがなかったから悩んだ。
その国へ行く理由は何かを考える必要があった。

結果として、「行きたい気持ちを潰しておきたい」という簡単な理由でニューヨークを選んだ。
「当時、最も興味がある国へ行くはずだった」とずるずる残している事実は隠しきれなかったから。

旅行に理由なんて必要ないんだろうけど、海外へ行くための理由は私にとってはお守りみたいなもの。
自分の行動を正当化させるためだったりもするんだろう。

意外にも、そんな理由を笑って肯定してくれる人たちがいたことに救われた。

ー2023年2月、実感があるようでないまま日本を飛び立った。
フライトを取るときになぜ気付かなかったのか、詰めの甘さが目立つ、非効率なフライトスケジュールで。(笑)

そして3年ぶりの旅も、ヒヤヒヤすることが何度も起きては人に救われた。
英語が話せずアメリカ入国で挙動不審になりながら税関を通った、全身の強張りは忘れられない。(笑)

相変わらずスマートにいかないなと思いながら、優しい女性たちに救われニューヨーク市内に到着。
都会だな。英語だな。なんて頭に浮かべながら少し歩くと、ギラギラにきらめくタイムズスクエアが目の前に広がった。

その瞬間から、にやけが止まらなかった。

ホテルまでは地下鉄に乗れば早かったけれど、沸き起こる“にやにや”を味わいたくてキャリーバックを転がしながら夜の街を歩いた。

目と耳に入ってくる大量の情報、全ておもしろくてたまらない。
多くの映画やドラマで目にした街を自分の足で歩いている。
そんな誰でも言えそうな感想を私も同じように述べていた。

その後の2日間は、マンハッタンを中心に街を歩き、人に会い、ブルックリンへ足を伸ばした。
ショッピングモールの中で迷ったが、それ以外は思ったよりも歩きやすい街だった。

50〜60時間の滞在でニューヨークを知れたとは思わないけれど、改めて言えることがある。
「海外へ行きたい」「海外で挑戦したいことがある」と言うのであれば飛行機に乗ってとっとと行けばいい。

それに「なぜ行くか」なんて後からついてくるものだと思えた。
ノープランでいいとは言わないけれど、行きたい場所へ行く理由はその気持ちで十分だ。
行き先で見つけた物事が無駄になることはないんだから。

「やっぱりこの感覚が楽しい」という気持ちを味わえたこと。
「またここへ来たい」とニューヨークへの興味が強くなったこと。
「イタリアの食が恋しい」と改めてイタリアの食文化への愛が深まったこと。

行きたいと思ったならば、理由なんて後回しにして行こう。
もっともっと足を動かしていこう。

これらの気持ちは別に誰の役にも立たないけれど、しっかりと行き先で見つけたものだ。


現地でアテンドしてくれた人たちや、困ったときに助けてくれた人たちがいてこそ成立した旅。
旅をすると些細なことでも嬉しい、幸せだと思えるし、優しさや面白さに敏感になる。

海外の写真は家にいても拾い集めることができるけど、自分の足で歩いて残した写真はとても愛おしく思う。


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