ロンドンを飛び出して、イギリスの地方で自然保護活動を体験してきた
今週はreading weekという、学期中盤の1週間のお休み期間です。私は交換留学でもイギリスに来ていたので馴染みがあったんですが、そういえばreading weekって何なんだろうと思い改めて調べてみると:
…だそうです。置いてけぼりにならないように、学期の途中でキャッチアップできる機会が設けられているのはいいですよね。とはいえ1週間まるまる休みになるので、この期間を使ってイギリス国内で出かけたり、ヨーロッパの他の国に旅行したりする人は結構います。
ということで私も、コースメイトが働いているチャリティ団体のボランティアに日帰りで参加してきました。
このチャリティ団体は、イギリス国内を中心に野鳥やその他の野生動物の生息地の自然保護(conservation)を行っていて、今回訪れたのは彼らが管理する自然保護区(reserve)のひとつ。週に一度、地元のおじいちゃんおばあちゃんたちがボランティア活動をする日があり、そこに混ぜてもらって一緒に作業しました。
場所は、ケント州の某所でロンドンから電車で1時間強ほど…のはずだったんですが、最寄駅から乗り換え地点までの電車が遅れて電車を逃してしまい、その次の電車に乗ろうと思ったら「線路内に動物が侵入したため運転を見合わせています」というアナウンス。代替ルートを探して、結局2時間ぐらいかけて目的地にようやく到着しました。
ロンドン内のTube(地下鉄)やバスでの移動に慣れたと思ったら、地方の電車はある意味さらに手強かったです。コースメイトと「早速、田舎の洗礼を受けたね!」なんて笑え合えたので結果オーライ。
この日の作業内容は、先週からの続き。自然保護区内で背の高い樺の木が育ちすぎてしまっていたので、その伐採を先週行ったようです。野生動物にとって過ごしやすい低木の生息地になるほか、樺の木を伐採して他の在来樹木が育ちやすい環境を作ることで、生物多様性を高める狙いも。
本来は野生の動物が若木を倒したりしながらこういった自然のバランスが保たれているけれど、一度人間によってそのバランスが壊されてしまった今、「野生動物がやるだろうことを人間が真似する」ような形で自然保護を行っているというお話を伺いました。
そして、伐採された樺の木には有益な使い道が。長くてまっすぐな形の樺の木は束ねると、他の自然保護団体がリーキーダム(leaky dam:水がゆっくり流れるようにすることで氾濫を防ぐダム)を作る材料として一束10ポンドで販売できるんだとか!売上はまた自然保護活動に還元されるので、win-winですね。
というわけで前置きが長くなりましたが、この日は先週伐採された木からリーキーダムの材料として使える長さ・形のものを選別する作業を行いました。
先週まで雨の日が続いていたのに、この日はびっくりするほど晴天。思わず「日頃の行いかな〜」なんて呟いちゃう。コースメイトから「寒いしびしょ濡れになるかもしれないから、防水の服をいっぱい着込んできてね!」なんて言われてたのに、日中は作業していたら汗ばむぐらいでした(笑)
最後に、材料として販売する質に満たない枝木で自然保護区の周りを囲う柵を作ってボランティアは終了。この自然保護区の周りは一般の人も通れる遊歩道になっているので、散歩に来た飼い犬などが保護区内に入って改善中の生態系を壊してしまわないための対策です。
それでも野生動物には入る隙間があるし、時間が経てば枝木は自然に分解されて土壌に還元されるので金属製の柵などを立ててしまうよりも賢い。
常連ボランティアの人たちとおしゃべりできたのも楽しかったです。アフリカの自然豊かな場所で生まれたから自然を身近に感じてきたという白人のおばあちゃんや、来週初めて気候変動のプロテストに参加するんだという70代後半のおじいちゃんなど、素敵な方々でした。
また、アカデミアは良くも悪くも理想主義というか、気候変動に対するあらゆる思想やアプローチをぶった斬るような授業を日々受けている中で「じゃあ私たちには何ができるんやぁぁぁ」となることも多いのですが(前回のnote参照)、完璧ではないかもしれないけど実際に地球環境をどうにかしようと活動している現場を体験できたのは良かったです。
来学期はボランティア活動が評価の一部に含まれる授業を受講予定なので、もっと実践の機会も増やせそうで楽しみ。その前に、今学期の期末レポートのトピックをそろそろ決めなきゃいけないけどね…。
🪵
noteでは、ロンドンでの大学院生活や、留学準備の体験談などについて綴っています。ぜひ他の記事もご覧いただけたら嬉しいです。
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