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【山里暮らし】2024年4月①山菜と罠の見回り

久しぶりに山里のNさんちを訪ねたおはなし。

土間の入り口を開けると、少々煙たいような香りがこもっていました。
Nさんは70代男性、生まれた時からずっと、薪ストーブのある暮らしをしています。だるまストーブを何台も使い継いで、数年前にやっと念願の、上の写真のものに変えました。しょっちゅう火の世話をしたり、周りの灰を掃除したりしてストーブを「愛して」います。

「たらの芽はあるけえが、”行き先”が決まっちゃってるもんであげらんぜ」と唐突です。私が山菜を狙ってきているのがバレている・・・
「酒屋の娘(コシアブラ)はまだだ。
 行者にんにくなら俺は嫌いだから持ってけ」

行者にんにくはもともとが北国のものだそうで、なかなか静岡の平地では育ちません。移植したものだから正確には山菜じゃないけど、よく根付いたなあと感心します。あとはニワトコを採りたいところですが、もう一息でした。


薪割りをすると聞いて手伝いに来たのですが、それは明日でいいから
「罠を見にいかざア」と誘われました。
Nさんが住んでいるのは正真正銘の山里ですが、より奥の、軽トラックじゃないといけないような場所に、何箇所か檻(ハコ)罠、くくり罠を仕掛けています。Nさんはその見回りがてら、山の雑木を私に解説してくれるつもりなのです。

そしてもし、犬がシカを追い詰めたら・・・捕物帳を見せてくれるつもりなのです。

相棒である甲斐犬は、どうやら1ヶ月ぶりに来た私を覚えててくれるらしく、スリスリと身を寄せてきて「なんだおめえは」とNさんに笑われていました。私は犬のマッサージも得意なのです。
「乗れ!」と声をかけられると、犬は素直に荷台に飛び乗りました。さあ、細いくねくね林道を通って、奥へ奥へ軽トラックは走ります。(つづく)


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