八月の頭に、アルバイト先の仕事がなくなってしまいました。
アルバイトで少しでも生活を安定させながら、書く仕事のための時間を濃くしていこうと思って始めたことだったけれど、実際のところはうまくはいかなかった。
これは自分の甘さも多分にあって、結局のところ、どちらも中途半端になっていました。
自分でそういう生活を選択したわけだけど、実際にその生活をしている間、私はほとんど楽しくなかった。
書くことも楽しくなかったし、仕事先に行くことも楽しくなかった。
「生きることが立ち行かなくなったら、どうしよう」
という不安と焦りが、日常をコントロールしていたと思います。
現状に対する不満を口にすることが多かったし、SNSに流れる意見や議論にイライラしたり、疲れたりもしていました。

仕事先の契約がなくなった時、
「こんな生活、疲れた」
と心の底から思いました。
何が嫌かって、不平不満を言っている自分のことが、一番に嫌だった。
生きていりゃ、当然嫌なこともあるわけで、そのこと自体は避けられないにしても、心の不安を解消できず、情報に惑わされ、それらに振り回されている自分の姿は直視できませんでした。

というように、八月の私のことを書くと、なかなかシビアな描写になってしまいます。
とにもかくにも、八月は仕事をしていません。
種まきになるような活動もできてはいない。
自分が一種の「伽藍洞」みたいな感覚だったので、「焦るのやめよう」とだけ思いました。
とはいえ、ぼーっとしてただけでもなかったんだと思う。
「生活に彩りを！」的なことはなんとなく思っていて、飽き性なので何事も継続しないことを前提に、「飽きても自分に絶望するな」と思って、気になるコトには一度は手をつけてみることにしました。
なんとなく、「オレ、伽藍洞」感がちょっとずつなくなってきた気がします。

一部紹介。

●とにかく読書。
本を読むのだけはいつも好きで、何かしら読んでます。
この時期読んだのは、
最近人気の、イエール大学助教・成田さんの本とか、小林秀雄とか。太宰も久しぶりに読んだ。
今は、角田光代さん翻訳版の「失われた時を求めて」を。

●哲学に興味があって、哲学的な思考についても調べていました。
東大TVに上がっている公開講座の動画を見たりして。くそ難しくてわからんのじゃないかと恐る恐る見ましたが、意外にわかりやすくて、東大すげーって思いました。

●ドライフラワー。
「やりきれない人生の隣に、花を。」と思って。
悲しいことがあったとき、私は花を求めます。
花は、何にも頑張らず、そこにあるだけなのに、どうしてあんなに美しく、あんなに人を癒すのでしょう。
最近はドライフラワーもいろんな種類のお花があって素敵だったので、いくつか買い求め、自分でスワッグにしてみました。
ただ、楽しい。

●支出をたのしく抑える。
私、お金持ちになりたいと思ってたのですが、自分がどんな時、幸せを感じるか、今回わりと真剣に考えてみました。
そしたら、「高価なモノ」に全く価値を感じないタイプだってことに改めて気づきました。
「素敵なレストランで食事する」とか、「仕立てのよい服で着飾る」とか「おしゃれなインテリアに囲まれる」とかそういうの、本当のところ、あくまで私にとっては、そんなに重要でないです。
もちろん、最低限、必要な栄養と清潔な環境は確保したいし、そうしていると思います。
私が幸せなときは、
「近所の人がお野菜分けてくれた！」
とか、
「誰かが人に優しくしているとこに、こっそり自分だけきづいちゃった！」とか、
「よく行くお店で、私が行く時にはいつも好きな曲がかかってる！」とか、
実にひっそりとしてはいるけど、「好きなものと、小さく繋がっている」という肌触りがはっきりと感じられる時です。
それは全部お金のかからないことです。
でも実は当たり前のようで、当たり前ではないということを感じるようになりました。
そういうことが、私にとっての幸せだと思います。
人それぞれ考え方はありますが、私は、お金をたのしく節約する行動をしていると、わりと良いことに接続しやすいと、ここまで過ごしてわかりました。
反対に、お金をもっとほしいと行動しているときには、他人との比較に怯え、自分の力を証明しなければ！というナゾの行動をしてしまいます。こんなの、苦しい生き方でしかない。
ケチケチ生きるのとはちょっと違っていて、
「本当に、今自分が必要なものは何か」
ということを考えてから、お金を遣いたい。
「このお金がゆく先が、幸せな行き先なほうがいい」
と思います。

固定支出は稼がなくてはいけないので、しっかり仕事をしたいと思っています。
私には、生きる上では言葉が必要で、言葉を届けることを何かの形ではずっとやっていきたい。
書くことだけではなくて、話すことも面白そうだと思っています。
音声メディアもちょっとやってみたいなあ。
交換日記とかもやってみたいんだよなあ。
手紙の代筆とかも面白そうだなあ。
とかとか。
書いてたら、何かしら楽しそうなことは考えつくようにできている。
小さな幸せを言葉で紡いでいけたら、それが幸せ。