映画を見に行く夢

わたしは「あけちゃん」というお友だちと映画を見に行くところだ。わたしは高校2年生で、あけちゃんは中学3年生。わたしは普段着だが、あけちゃんは学校の制服だろうか、紺のジャンパースカートに半袖の開襟シャツを着ていた。

その映画はハリーポッターのようなファンタジーで、とにかく人気の作品。映画館ではなく、テーマパークのお城のようなところで上映されるらしく、すでに長蛇の列が出来ていた。夢の中の世界は、コロナは流行っていないようで、マスクをつけた人はいなかった。

ぎゅうぎゅうの人だかりの中に、星野源(敬称略)が現れて、わたしとあけちゃんに気づくと、気さくに「やあ」と声をかけてきた。まるで約束にちょっと遅れてごめん、というような感じだった。わたしもあけちゃんも「あ」と声を出して手を挙げた。ここだよ、待ってたよ、という感じで。

3人で映画を見る前に食事をしよう、と話が決まり、あけちゃんとわたしが並んで座り、星野源がテーブルの向かい側に座った。サラダが出てきて、それを食べながら、次の料理を待っているところだった。「へえ、あけちゃんは自分でごはんも作れるの?えらいねえ」とかなんとか、星野源があけちゃんを褒めるものだから、わたしはムキになって「わたしにも料理くらいできます」みたいなことを言った。そう言いながら、小学生みたいな意地の張り方だと心の中はすごく恥ずかしかった。星野源は「それはもちろんわかってるよ」とにっこり笑って、「ところでさあ」と話の流れを変えた。

いつのまにか星野源は消え、わたしはあけちゃんと二人で、再び映画の列に並んでいた。そこにいた数人の高校生男子が「ここから覗けば、見えるよ」と一段高くなった窓を指差した。そして一人が地面に跪き、もう一人が立ち上がって身構えた。あけちゃんが跪いた人の膝に足を踏み込むと、立って身構えていた男子がひょい、とあけちゃんを高い位置に押し上げた。

「あ、見えるよ!」とあけちゃんが楽しそうで、わたしは自分も見たいのだが、誰も手助けをしてくれない。「いいなー、若い人は」と呟いたら、再び星野源が現れて「そうだよね。若いってそれだけで眩しいね」と言った。わたしは羨ましくて、ちょっと寂しかった。

さて、長蛇の列もズンズン進んで、そろそろ私たちの番だ、と思ったところで会場にけたたましいベルが鳴り、それはよく聞くと目覚ましの音だった。わたしは完全に目が覚めてしまった。

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