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学習性無力感

 「犬を①パネルを押せば電気ショックを停められる②何をしても止められないーの状態にそれぞれ置いた。その後、新たな電気ショックの実験をすると①の犬は回避方法を見つけたが、②の犬は何をしても無駄とばかりに回避行動を取らなかった。無力感はクセになりやすいのだ。」
 マーティン・セリグマンの「学習性無力感」についてこう説明しながら、そこからの脱却を訴える記事を読んだ。10月26日の毎日新聞。
 この概念は、いろいろな場合に当てはまる。取調べに追い詰められた容疑者が、犯していない罪を白状してしまうとか、何を言っても妻の言うことを聞かない夫に対する無力感とか、その逆の場合も。とりわけ単一のイデオロギーやものの考え方しか認めない党派や組織で、異端としてレッテルを貼られた人々などは、学習性無力感に陥りやすいのではなかろうか。
 無力感は「クセになりやすい」らしいから、この実験のことを思い出して、それに囚われそうになったら、直ちに回避行動を取るように注意しよう。

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