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『飛込み営業の極意⑤』基本をあなどるなかれ

今回は、飛込み営業のツールである「トークマニュアル」についてのお話をしていきたいと思います。

【1】基本トークをあなどるなかれ

営業未経験の方やルートセールスをされている方は、ご存知ないかも知れないですが、一般的に飛び込みをしている営業会社には、基本トーク(マニュアル・トーク)というものがあります。

これは、未経験者でもすぐに飛び込み営業が出来る様に、会社が考えた出した「売る為の基本」となるトークの実用例文です。

業界の経営者や幹部の方達が今までの経験を元に練りに練った、言わばセールストークのエッセンスが凝縮されたものです。

わたしも最初は必死になってこれを覚えました。
スポーツや音楽などだけではなく、どんな仕事でもまず最初は基本が大切です。基本が確実に身に付いた後なら、自分のカラーを出してもいいでしょう。

この基本トークを覚えれない人、覚える気のない人がいます。
特に、経験者の方に多い様に思われます。
わたしの記憶では、こういう人は会社に不満を持ちながら辞めていく人が多かったです。

要するに、基本を馬鹿にして、いきなり自己流に走る人ですね。
自分のやり方に固執する人です。恐らくそれで売れていた経験があるからなんでしょう。

経験は大切なものですが、素直さも大切な要素です。素直になれない人いますね。

わたしは、つまらないプライドは捨てるべきだと思います。一度、素直にやってみればいいです。

営業マンのプライドは売ることです。そのやり方でずっとうまく行っていたのならOKです。

しかし、うまくいかなかったから転職したのであれば、素直に初心に帰って一からやり直してみるべきです。一度、自分を白紙に戻すんです。

たとえ少しでも自分の営業に役立つ可能性があるなら試してみるべきです。基礎が身についたその後で自分のトークを確立していけばいいんです。

本気で覚えれば、きっと得るものがあるはずなんです。

【2】営業のロープレとは?

基本トークを覚えると、次はロープレ(ロールプレイング)というものを行います。

二人一組で基本トークの練習をします。
一人がお客様役、もう一人が営業マン役をするわけです。

お客様役の人が断りを入れたり、質問したりします。それに対して営業マン役の人が応答していくわけです。

最後はアポイントをとったり、申し込んでもらったりする流れです。

このロープレは上司や同僚達の前でやることもあります。そして、指導を受けながら修正していくわけです。みんなが見ている中でやらされることもあります。

わたしは、なぜかやっていて鳥肌がたつことがよくありました。(実際の現場でもよく鳥肌が立ちました)

集中してくると、周りが段々と見えなくなります。

つまり、本気でお客様役の営業マンにトークをかけているわけなんです。ただ、実際にはこの基本トーク通りに話が進むことはほとんどありません。

大切なことは、お客さまとどんな内容の話をしている時にも、瞬時に基本トークのどの箇所にも出入りが出来るようにしておく事です。

【3】ロープレのもつ意味

ロープレをすることには二つの大事な目的があります。

一つは、モチベーションのアップです。

人間には、その日その日のモチベーションに上下があります。

つまり、この上下の落差を出来る限り小さくする為に、朝にロープレをやって自分のモチベーションを上げていくわけです。

ロープレは、出来るだけ大きな声でやります。そうすると自分の脳に刺激が行き、ふしぎと元気になってきます。

そして、もう一つはイメトレ(イメージ・トレーニング)です。お客さん役がうまい営業マンとロープレをやるとすごくいいイメトレになります。

その場所にいる自分をイメージしながらロープレをやると効果的です。

そうすると、すごく良いイメージで飛び込めるので、驚くぐらい簡単に成果が出たりします。

それはやはり「イイ顔」で飛び込めているんでしょうね。
顔に「売り」が出ていないんです、きっと。

わたしは、テレアポをやっていた時期もこのイメトレを欠かしませんでした。イメージ(潜在意識)の力は、すごいと実感していましたから。

【4】自信は声のトーンに表れる

声のトーンは、みなさん個々に違いがあると思いますが、これも演じるためのツールの一つと考えます。

声のトーンも演じてください。高すぎず、低すぎず、抜ける声が理想です。要するに耳障りのよい声です。

わたしは、気持ちが入るとウルサイいくらいに声が通りますが、普段は聞き返されるくらいにボソボソ声です。

実は、飛び込み営業を始めたわたしが一番重要だと感じたのが、「声のトーン」なんです。

ほんとに、そうなんです。

自信に満ちた「声のトーン」これです!お客様(特に経営者の方)は、自信のない営業マンから物は買いません。

わたしがまだ新人の頃、商品知識が頼りないにも関わらず、根拠のない自信と声のトーンで明らかに相手が変わりだすのが分かりました。(事実です)
わたしを信用し出すわけです。ちゃんとこちらを向いてくれたわけです。

この声のトーンに目つきと顔つきをシンクロさせます。

言葉を並べるだけでは大した力はありません。
しかし「言霊(ことだま)」という呼び方があるように、自信に満ちたトーンの言葉には「言霊」があります。

そこには、人の心を動かすパワーがあります。

【5】ボディランゲージの力

お客さまと話をする時には、必ず体の動き(ボディーランゲージ)を加えてください。それも、できるだけ大きく動いてください。

これは、相手に自分という人間を見せるため(記憶させるため)の手段です。

しゃべりながら手を動かしたり、叩いたり、体をひねったり、床を叩いたり、中腰になったり、しゃがんだり、立ったり、のけぞったりします。

顔つきも、喜んだり、困ったり、悩んだり、同情したり、場合によっては怒ってみたり(ふり)もします。

ただし、個人宅の奥様は、オーバーアクションで怖がらせないように優しく扱ってください 笑

つまり、こうすることによって、相手はこちらの一生懸命さを感じ、どんどん話に乗ってきます。それが相手の記憶に残るわけなんです。
「熱意」として残るわけです。

仮にその場は断られたとしても、営業マンが帰った後に「あの営業さん一生懸命だったなぁ。今日は忙しかったからああ言ったけど、今度来たら話をきいてみようかな。」って思ってもらえたりするわけです。

そこに次回、ニコニコ顔で営業マンが再訪して「近くまで来てたんで寄らせて頂きました。この前はお忙しいところお話をさせて頂いてありがとうございました!」って言われたら、どうですか…?

次にもつながりますよね。

飛び込み営業では、こちらの言葉や話の内容は一部しか相手の記憶には残りません。

記憶の中で大きく割合を占めるのは、声のトーンと汗をかきながら体を動かして一生懸命だった営業マンの姿形です。

大切なのは「その場に必要な自分」を演じ切る事です、本気で。


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※この記事は、営業未経験の方、営業を始めたばかりの方、売り上げが伸び悩んでいる方に向けて書いています。

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